電力自由化へ発送電分離、電源開発は国民的議論を

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 一方、電源のバランスは、国民を挙げて議論すべき問題だ。イタリアのように国民投票が可能になれば、電力会社が捏造した試算ではなく、コストやリスクにかかわるあらゆる情報を入手して議論しよう、という機運が高まるだろう。

今の2大政党制では、地方選で争点になることはあっても、国政選挙で争点になることは期待し難いように思える。

菅首相は5月のフランスのG8首脳会談で「太陽光パネルを1000戸に設置」と思いつきで公約した。原発推進派に阻まれてきた再生可能エネルギーの議論は、大いに進めればいい。

しかし、ここにも落とし穴は潜む。設備の建設や補助金が新たな利権を生み、無駄な設備が増える可能性もある。化石燃料を効率よく使う技術や、炭素税・排出権取引などの可能性も切り捨ててはならない。

日本の経済成長をどうするか、国民の安全・安心をどう担保するか、政官財癒着をどう排除するか。日本の民主主義の脆弱さを克服できるかが問われる問題だ。

(シニアライター:大崎明子 =週刊東洋経済2011年6月25日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

写真は東京電力の西澤俊夫新社長、撮影:尾形文繁
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