電力自由化へ発送電分離、電源開発は国民的議論を


 しかし、これは原発問題に限ったことではない。あらゆる分野で「よらしむべし、知らしむべからず」の官僚主導が続いてきた。「自民党をぶっ壊す」のせりふで小泉純一郎元首相が人気を博したのも、2009年の衆議院選挙で民主党が圧勝したのも、国民が政官財の癒着に嫌気が差していたからにほかならない。

だが、民主党政権は巨大な官僚機構を使いこなせず、被災地の復旧・復興でも原発事故対応でも、惨めな結果を招いている。問題を解決するには、現場の情報や具体的な制度・法を熟知した人材を動かす必要があるのに、現場とつながりを持たない司令官やご意見番を東京に増やし、混乱を重ねるばかりだ。

14日に閣議決定された原発被害者への賠償の政府案も自民党時代と何ら変わらない政官財の癒着で決まった。自民党の原子力政策を批判し続けてきた河野太郎衆議院議員は「一般会計に傷をつけたくない財務省が金融業界と手を握って決めた話。全然“政治主導”じゃない」と憤る。

政府案は、東電が地域独占を続けて電気料金の値上げを行うことで、長期間かけて賠償資金を捻出するスキームだ。資本主義や法の論理を無視し、株主価値を毀損させないという。東電管区内の利用者の負担で福島に償う点だけは筋が通っているといえなくもない。

だが、原発推進が国策であることや、全国的に地域独占を廃し電力自由化を進めることが国民生活にとりメリットが大きいことを考えれば、東電の現行の株主には責任を問い、国有化したうえで、発電と送電を分離して自由化を進め、再度、東電株を民間に売却することが望ましい。株主価値を超える損害賠償は国が行うべきだ。

電力自由化を急げ

日本でも原発建設をめぐって住民投票が行われた例はある。ほかの迷惑施設同様、いわゆるNIMBY(Not In My Back Yard、自分の裏庭はやめてくれ)に対応した形である。しかし、原子力発電の問題は地域にとどまらない影響を及ぼす。

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