米政府、中国製「レガシー半導体」調査開始の狙い 先端半導体技術に続いて「中国排除」を拡大か

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レガシー半導体に関する調査着手は、BISが同日付で公表した報告書の内容を受けたものだ。この報告書は、アメリカのエレクトロニクス産業の現状や、自国の防衛産業を支える能力などについて調査・分析したもので、アメリカ議会の要求に基づいて作成された。

報告書によれば、世界の半導体の製造プロセスに占めるアメリカのシェアは研究開発段階では47%、回路設計の段階は27%に上る。しかしチップ製造の前工程は12%、テストやパッケージングなどの後工程は2%未満に過ぎない。アメリカ企業が販売する半導体の推定85%は、中国本土、台湾、韓国、マレーシアなどでパッケージングされているという。

アメリカ政府は半導体の国内製造を支援する「CHIPS・科学法」を2022年8月に成立させた。写真は同法案に署名するジョー・バイデン大統領(商務省のウェブサイトより)

製造プロセスの後半になるほどアメリカのシェアが低いのは、製造コストの高さゆえにほかならない。そこで報告書は、アメリカ国内で事業を行う企業が(外国企業と)公平に競争できるよう、(アメリカ政府が)支援策を講じることがカギになると指摘している。

中国での半導体投資に制約も

アメリカのバイデン政権は2022年8月、国内での半導体の製造や研究開発を支援する「CHIPS・科学法」を成立させた。その予算は5年間で総額約2800億ドル(約40兆円)に上り、そのうち約527億ドル(約7兆5194億円)が国内で半導体を製造する企業への補助金に振り向けられる。

本記事は「財新」の提供記事です

CHIPS・科学法は、補助金を受給した企業が中国を含む(安全保障上の懸念がある)対象国で半導体の生産規模を拡大したり、研究開発を行ったりする計画が明らかになった場合、アメリカ商務省が補助金の返還を要求できると定めている。

今回発表されたレガシー半導体に対する調査の結果次第では、中国における半導体生産能力の拡大投資が大きな制約を受ける可能性がある。

(財新記者:杜知航)
※原文の配信は2023年12月22日

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