半導体の受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は12月6日、アメリカのアリゾナ州で建設を進めている半導体工場の第2期プロジェクトに着手すると発表した。
第2期プロジェクトの生産ラインには回線幅3nm(ナノメートル)のプロセス技術を導入し、2026年の生産開始を見込む。第1期と第2期の合計投資額は約400億ドル(約5兆4696億円)に上り、外国企業の対米直接投資としては過去最大級のプロジェクトとなる。
TSMCは2年半前の2020年5月にアリゾナ州への進出を発表。第1期プロジェクトでは、約120億ドル(約1兆6409億円)を投じて回線幅5nmの生産ラインを建設中だ。生産開始は2024年を予定し、12インチのウエハーを月間2万枚製造する。
「CHIPS・科学法」の補助金対象
TSMCは半導体の微細化とその量産技術で世界の最先端を走る。市場調査会社の集邦諮詢(トレンド・フォース)のデータによれば、2022年4~6月期のファウンドリー市場での世界シェアは53.4%に達した。同社はすでに2022年後半から(競合他社に先駆けて)回線幅3nmの半導体を量産しており、2025年には2nmの量産実現を目指している。
規模的にも技術的にも業界をリードするTSMCは、自国の半導体産業の基盤強化を図っているアメリカ政府にとって、本格進出を誘致したい最優先のターゲットだ。それを象徴するかのように、12月6日に行われた第1期プロジェクトの生産設備搬入式典にはジョー・バイデン大統領が出席した。
バイデン大統領は2022年8月、アメリカ本土での半導体の生産や研究開発に対する527億ドル(約7兆2062億円)の補助金支給を盛り込んだ「CHIPS・科学法」に署名した。TSMCのアリゾナ工場もその対象に含まれるが、具体的な補助金の規模については明らかにされていない。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は12月7日
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