中国のステンレス鋼大手の青山控股集団は12月1日、アフリカのジンバブエへの投資を拡大すると発表した。従来の鉄鋼とコークスの生産事業に追加投資するほか、新たにリチウムの加工にも乗り出す。
同社によれば、董事局主席(取締役会会長に相当)の項光達氏が11月29日にジンバブエのエマソン・ムナンガグワ大統領と現地で会談し、同国政府との間で覚書を交わした。
浙江省温州市に本社を置く青山控股集団は、年間1000万トンを超えるステンレス鋼の生産能力を持ち、世界市場の約2割を握る最大手企業だ。中国とジンバブエ以外にもインドネシア、アルゼンチン、アメリカ、インドなどに大型の生産拠点を持つ。
中国企業のアフリカ投資の拠点に
今回の覚書には、青山控股集団がジンバブエでの普通炭素鋼の生産能力を年間200万トンから500万トンに引き上げ、アフリカ最大の製鉄所を建設する計画が盛り込まれた。第1期の生産設備は2023年末に稼働する予定だが、具体的な投資額は明らかにされていない。
同じく覚書によれば、青山控股集団は現地でのコークスの生産能力を年間500万トン、クロム鋼の生産能力を同50万トンに引き上げる。さらに、年間100万トンの生産能力を持つセメント工場と、同200万トンのリチウム粉末の加工工場を新たに建設するとしている。
ジンバブエは近年、アフリカに進出する中国企業の投資を数多く引きつけている。その要因の1つは、同国では外国企業が100%出資の現地法人を設立することが認められており、現地企業との合弁を強制されないことだ。
2021年以降だけでも、電池材料大手の華友鈷業(ホアヨウ・コバルト)、レアメタル大手の中鉱資源集団(シノマイン)、盛新鋰能集団(チョンシン・リチウム)、雅化実業集団(ヤーホワ)などが、ジンバブエでのリチウム資源開発に参入している。
(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は12月2日
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