リコー社長・近藤史朗--日米で人員1万人削減へ、改革なくして未来はない

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リコー社長・近藤史朗--日米で人員1万人削減へ、改革なくして未来はない

事務機大手のリコーが2013年度を最終年度とする新中期経営計画を打ち出した(下図)。売上高を2兆4000億円(10年度実績比24%増)に、営業利益を2100億円(同3・5倍)に引き上げるという意欲的な内容だ。

成長加速と企業体質の改善を同時に狙うべく、新中計には攻守両面の施策がズラリと並ぶ。中でも注目を集めたのは「人員約1万人の削減」。グループ全体の約1割に当たる人員を、今後3年間で削減する。

なぜ、今のタイミングで大幅リストラを断行するのか。近藤史朗社長にその真意を直撃したところ、指揮官の口から飛び出したのは、持続成長に対する強烈な危機意識だった。

──事務機を取り巻く環境は一層厳しくなる、と想定しているのでしょうか。

世界的に見ると、現時点では複合機などの販売台数は落ちていない。顧客企業でのコピー、プリントなどの印刷枚数も減っていない。

ただ、グローバル競争の激化を背景に、印刷1枚当たりの単価が大幅に低下している(編集部注:業界では企業に対して、印刷1枚ごとに課金するシステムを確立している)。また、商業印刷機も販売台数が落ち込んでいる。

中長期的には、複合機販売も企業の印刷枚数も、減少トレンドになるだろう。クラウドコンピューティングの浸透により、企業は「所有」から「利用」へと意識を変えている。複合機を買うのではなく、レンタルするという考え方だ。また、タブレット端末機などモバイル機器の普及に伴い、紙での出力が徐々に減っていく、とも見ている。


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