いかがでしょうか。苦手科目の対策ばかりしていると、得意科目の力が落ちてしまい、全体の点数が下がってしまうとありましたね。人間は忘れる生き物ですから、どれだけ得意科目でも勉強しないと勘が鈍ってしまいます。
例えば、国・数・英・理・社100点満点ずつの試験で、苦手な数学は50点、ほかは80点取れる実力があるとしましょう。この場合、数学をできる限り伸ばして、ほかの科目と同じように80点まで取れるようにしたいと思う人が多いのではないでしょうか。
しかし、ここで数学を集中的に勉強して80点まで上げられたとしても、ほかの科目の勉強をおろそかにして70点の実力に下がってしまったら、全体としてはマイナス10点です。せっかく頑張ったのに、努力が報われない結果になってしまうのです。
ここで数学の点数を60点まで上げる勉強量にとどめて、ほかの科目をそれぞれ85点まで伸ばせれば、全体としてはプラス30点になります。勉強時間が同じでも、どう配分するかによって大きく結果が変わるわけです。
少し期間が空くだけで、成績が落ちる
もちろんこれは机上の計算ですが、現実に起こりえる話です。
スポーツや音楽などの世界では「練習を1日休んだら3日分下手になる」という言葉がありますが、勉強でも英語の読解やリスニング、数学の計算などはその典型で、少し期間が空くだけで力は落ちてしまいます。
今までの積み重ねがあれば、ちょっと勉強すれば勘は取り戻せるでしょう。ただ、それは以前の状態に戻っただけで、成長ではないのです。ここが受験生にとってはまりやすい落とし穴です。
実際に、私はこの罠にかかりました。東大受験1年目のとき、苦手な世界史が直前まで全然伸びず、不安に駆られてセンター試験の1カ月前からほぼ世界史しか勉強していませんでした。
ほかの科目は3日に1回過去問を解いて、感覚を維持する程度です。その結果、本番では世界史は9割の得点が取れたものの、ほかの科目では点を落としてしまいました。この調整ミスが2次試験の勉強にも響き、不合格になってしまったのです。
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