「発達障害の子」が日々もっとラクに過ごすヒント 学校が「つらい場所」とならないようにできること
ADHDのお子さんは、規則正しい集団生活が始まる小学校入学後に、ADHDの症状に悩まされることが多くなります。
多動の症状、「じっとしていられない」「落ち着きがない」といったものにはさまざまなレベルがあります。
静かに着席すべきときに、どこか落ち着かずに貧乏ゆすりをしてしまう程度のものから、イスや机をガタンガタンさせて音を出す、あるいはじっと座っていられず、クラスの中をうろうろ歩き回って授業に支障をきたす例までいろいろです。
教室の中にいられずに、出て行ってしまうお子さんもいます。
その他の多動の症状として、「しゃべり続ける」ことも挙げられます。
しゃべってはいけない場所やタイミングであっても、常に何かをしゃべっていなければ落ち着かなかったり、あるいはじっとこらえていられずに一方的に話し続けたりするのです。
授業中のおしゃべりで注意されることもしばしばです。
また、「待つことが苦手」も多動の1つと言えますし、「高いところに登ったり、そこから飛び降りたりする」といった行動も見られます。これには、危険な行動を好んでするといった特性も関連しています。
衝動的な言動、友だちに対する攻撃性が見られる
ADHDのお子さんには、衝動性を認めるケースもよくあります。
衝動性には、「内的な衝動性」と「行動面における衝動性」の2つが存在します。
内的な衝動性は、素早い判断や決定をもたらすこともあるのですが、どちらかと言えば「重要な事柄でも、思慮深く考えずに簡単に決めてしまう」というマイナスの傾向として現れることが多いようです。
あえて表現するならば「ADHDの人は頭の中も多動」なのです。
「ADHDの人たちの心の中では、多種多様なまとまらない衝動的な考えが常に起こっては消えている」というイメージです。
このため、「質問が終わる前に答えてしまう、かぶせて話す」「人の会話や遊びに割り込んでしまう」「順番が守れない」といった行動もたびたび起こります。