「発達障害の子」が日々もっとラクに過ごすヒント 学校が「つらい場所」とならないようにできること

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しかしながら、情報をオープンにすることは、不当な中傷を招いたり、いじめが悪化する原因になる可能性もあるため、説明のしかたなどについて慎重な配慮が必要です。

もっとも現状で学校の先生方にこのような対応を求めることは、かなり酷かもしれません。

さまざまな問題が多発している現在の小・中学校においては、先生方に余裕がなく、一人の子どもに十分な時間はかけられないのが現実でしょう。

子どもの不適応が顕著であったり、問題行動が治まらない状態が続く場合には、特別支援学級などの利用を検討することも必要となります。

日々の中で、LDの子どもたちが抱える問題

多くの場合、読み書き(それに関連して聞くことも)が苦手なLDのお子さんは、日常のコミュニケーションにおいても、他の発達障害と似た困りごとを抱えています。

これには、いくつかの理由があります。

まずLDにおいては、ASDやADHDなど他の発達障害が併存している頻度が高いのです。

さらにLDそのものの症状により、コミュニケーションの障害が起こりやすいこともその1つです。

たとえば、次のような問題があります。

・相手の話をうまく聞けない、特に集団の中だと難しい
・相手にうまく伝えられない
・相手の言うことが理解できない
・聞いたことを覚えていられない
・話題が飛ぶことが多い、一方的な話になりやすい
・反語やシャレがわからない
・場の雰囲気を読むことが難しく、友人関係をうまく作れない

診断が重複している場合もあるため、ASDやADHDのお子さんと類似した問題がしばしば見られるのです。

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