「あなたのためを思って」親心が招く最悪の結末 子への「負の連鎖」を断ち切るためにすべき方法

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『親といるとなぜか苦しい』にある親の精神的な成熟度を見るためのチェックリストは、自分自身の親がどうだったか子ども時代を振り返るとともに、もし当てはまっている項目があったら「再生産しないため」のチェックリストにもなると感じました。たとえば次のような項目です。

自分の親はどうだったのだろうか

◻︎些細なことにも過剰に反応することがある
◻︎言動や考え方が自分とちがう相手を前にすると、よくイライラしていた
◻︎自分が成長するにつれて、親は自分を相談相手として利用したが、自分の相談相手にはなってくれなかった
◻︎会話の内容はたいてい、親の興味があることばかりだった
◻︎親は、自分を省みることもなかったし、問題が起こってもそれを自分のせいだと考えることもまずなかった
◻︎両極端な考えをしがちで、新しいアイデアを受け入れようとしない

どうでしょうか? 子ども時代、精神的に未熟な対応をされていたのだという気づきはありませんでしたか? もし振り返って「自分はあのときつらかったのだ」と認識したのなら、今度は親として子どもに同じように接していないかどうか考えてみてください。そして、親自身も心理士などに頼って癒されてほしい。

私は親としての未熟さを子どもにオープンにしてもいいのではないかと思っています。子どもの立場で考えると理不尽な怒り方をしたなと気づいたら「ごめんね。ママいま余裕がなくてこんな伝え方になってしまった」と伝える。自分のクセや偏った考え方にまず気づき、親から子への負の連鎖を断ち切ることが重要です。

(構成:中原美絵子)

犬山 紙子 イラストエッセイスト

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いぬやま かみこ / Kamiko Inuyama

1981年生まれ。トホホな生態を持つ美女たちを描いたブログ本でデビュー。『SPA!』や『anan』などにも連載を持ち、テレビやラジオなどにコメンテーターとしても出演中。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)、『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)など多数。

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