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長崎「正覚寺下」行き路面電車、ブラジルを走る意外 64年間、市民と共に走った電車の「第二の人生」

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  • 仁尾 帯刀 ブラジル・サンパウロ市在住フォトグラファー
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イタリア・トリノ市から2009年に寄贈された車両番号2840は、かつて観光用食堂車として運行していたもので、キッチンと客席に小型のテーブルを備えているのが特徴。現在は、老朽化のために倉庫で全面修繕中だ。

ポルトガル・ポルト市から寄贈された1920年代製の木製の車両は、2022年に他界したサッカーの王様ペレをオマージュする車両として改装され、2023年10月末に車両番号をペレの通算ゴール数1283に変えて、再出発したばかりだ。

撮影時完成間際だった「ペレ号」。ペレはこの街のサントスFCで活躍した(写真:筆者撮影)

当然ながらいずれの車両も年代物なので、修繕やメンテナンスは欠かせない。そんな老朽化の著しい車両が多いなか、最も新しく2019年に登場した期待の新人。それが車両番号206の長崎電気軌道の1台である。

路面電車の走る港町としての絆

日本車輌製造による202形206号は、1950年2月にデビューして以来、2014年8月の除籍まで長崎市民の足として長年活躍した車両の1つだった。長崎での稼働年数はなんと64年である。

長崎電気軌道は戦後、「長崎の復興は電車から」の標語とともに街の復旧作業に貢献。原爆が投下された日から5年弱で走り始めたこの206号もまた、復興へと街を導く役割を果たしたのだった。

206号の操縦席。前方には送電線が通る前にラバが引いていた側壁のないタイプの車両(写真:筆者撮影)

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