「頭のいい子に育ってほしい」と願う親の重大盲点 親世代とは「頭がいい」の定義が違う

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実際、中学入試の問題も、自分軸重視へシフトしています。「さまざまな知識を幅広く聞く」試験から、「知識量はそれほど必要としないけれど、じっくり考えて自分なりの答えを出させる」試験へと変わってきているのです。

中学入試の問題には、その学校が欲する人物像が色濃く反映されます。このことからも、求められる「頭のよさ」が変わってきていることがうかがえます。

将来、自分ならではの強みを社会で発揮できる、自分軸のある子を育てる—これが「頭のいい子を育てる」ということなのです。

親の関わり方を変えれば自分軸は自然に育つ

少々乱暴な言い方になりますが、大前提として、どんな子どもも、放っておけば自分軸は勝手に育ちます。子どもはみんな好奇心があり、知らないことや目新しいものに「何だろう?」と興味を持つのですから、子どもの自主性に任せておけば、自分軸は自然に育っていきます。

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ただ残念ながら、成長過程における親子の関わりの中で、親が子どもの自分軸の成長を邪魔してしまっていることがよくあるのです。

たとえば、こんな行動です。

・「そんなことではダメ!」とダメ出しをする。

・あれもこれもとスケジュールを詰め込む。

・「みんなできてるのに、どうしてできないの?」と、まわりの子と比べる。

否定したり、子どもの時間を奪ったり、まわりの子と比べたりすることが、自然に育つはずの自分軸の成長を阻んでいるのです。何とももったいない話です。

しかし、仮にこうした行動を取ってしまっていたとしても、決して取り返しがつかないわけではありません。自分軸を育てるのに、遅すぎるということはないのです。

小川 大介 中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

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おがわ だいすけ / Daisuke Ogawa

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、1999年に中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。同時期に「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」の創設にも参画し、情報発信を開始。受験学習はもとより、幼児低学年からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方についての助言や提案に定評がある。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)など、著書多数。

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