たくさんの情報から大事なことを曖昧さなく伝える。
AI時代は従来型の評価基準が成り立たなくなる時代である。
それは不安な時代ではあるが、実はチャンスにあふれる時代でもある。どう生かすかはそれぞれの知恵次第。鍛えたいのは「考える力」「伝える力」の基盤ともいえるクリティカルシンキングである。
「言葉への意識を育てる」ことがさらに大事になってくる。
日本はみんなで共有している常識や価値観の割合が高い。空気を読んだり、忖度(そんたく)を生んだりする背景にもなるが、学者たちは別の視点で見ている。それは、日本語は聞き手が責任を負うことでコミュニケーションが成り立つ「聞き手責任」の言語だということだ。
相手が大半を穴埋め
家庭の食事で子どもが「お母さん、あれ取って」と言えば、その時々の料理によって、ソースを渡したり、しょうゆを渡したりする。これが聞き手責任。話し手が「今、僕はトンカツを食べている。トンカツにソースをかけるのはお母さんも知っているよね」とは言わない。話し手は10を言いたいうちの3つ、4つしか言わなくてよいのだ。聞き手が残りの6つ、7つをすべて穴埋めする。
私たちは自分の意見を言うよりも、与えられた情報の中から「読み取る力をつけなさい」という教育を小学校からずっと受けている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら