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今の子どもに必要な「クリティカルシンキング」 できるだけ早めに家庭内で訓練を始めたい

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会話をする親子
トレーニングの場としていちばんいいのは家庭である

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AI時代に求められる子どもの能力とは? それをつかむために親は何をすべきで、何をすべきではないのか。『週刊東洋経済』11月4日号では「AI時代の子育ての教科書」を特集。悩める子育て世代に、最新かつ最強の子育てガイドをお届けする。
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AI時代は従来型の評価基準が成り立たなくなる時代である。

それは不安な時代ではあるが、実はチャンスにあふれる時代でもある。どう生かすかはそれぞれの知恵次第。鍛えたいのは「考える力」「伝える力」の基盤ともいえるクリティカルシンキングである。

「言葉への意識を育てる」ことがさらに大事になってくる。

日本はみんなで共有している常識や価値観の割合が高い。空気を読んだり、忖度(そんたく)を生んだりする背景にもなるが、学者たちは別の視点で見ている。それは、日本語は聞き手が責任を負うことでコミュニケーションが成り立つ「聞き手責任」の言語だということだ。

相手が大半を穴埋め

家庭の食事で子どもが「お母さん、あれ取って」と言えば、その時々の料理によって、ソースを渡したり、しょうゆを渡したりする。これが聞き手責任。話し手が「今、僕はトンカツを食べている。トンカツにソースをかけるのはお母さんも知っているよね」とは言わない。話し手は10を言いたいうちの3つ、4つしか言わなくてよいのだ。聞き手が残りの6つ、7つをすべて穴埋めする。

私たちは自分の意見を言うよりも、与えられた情報の中から「読み取る力をつけなさい」という教育を小学校からずっと受けている。

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