「20代社員に助言請う」外資経営者、その"深い"意図 若手に学ぶ「逆転の発想」で新たな視点を得る

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IDEOのシニアパートナーで創業者の弟でもあるトム・ケリーの言葉で私が最も感銘を受けたのが、

「マネジメントの最も重要な仕事の一つは社内の最高の考えや気づきがスムーズに組織を流れ、自分たちのところまで流れてくる仕組みをつくることだ」

というものです。その仕組みとしておすすめしたいのが、「リバースメンター」というものです。

経営者が若手に学ぶ「リバースメンター」

メンターや職場先輩制度はふつう、若手社員に対してベテラン社員がメンターとして付きますが、その逆、つまり、ベテラン社員に対して若手社員がメンターとして付くのです。

『問いかけが仕事を創る』(角川新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

IDEOの経営陣はリバースメンターを付けています。

例えば、CEOのメンターは20代の社員であったりと、経営陣に対して、人生もキャリアも浅いけれど、自身とは違うものを面白がったり、日常的に違う行動をとっている若いメンターが付くことで、経営陣は若者の思考や行動を目の当たりにできます。そして、そこから学ぶことが非常に多いのです。重要なのはそのギャップを認識することであり、そこにふたをしてしまうのではなく補完することです。

これは明日にでも実施可能ですし、リスクも低い試みなのでおすすめなのですが、そこまでは自分の会社ではできないという人は、まずはお子さんや親戚の子に「何かを教えてもらう」体験をしてみるとよいでしょう。そこで得られるインスピレーションは計り知れません。

ちなみにリバースメンターは、IDEOの専売特許ではありません。例えばP&GのCEOを務めたA・G・ラフリーも若いリバースメンターを付けていました。自分の常識は若い人たちの常識とは異なるという認識のもと、打てる手を打っていたのです。

「問い続ける」だけではなく、「問いに共感する」ためには、こうした工夫も必要です。

野々村 健一 デザイン・コンサルタント

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ののむら けんいち / Kenichi Nonomura

慶應義塾大学卒業後、トヨタ自動車入社。ハーバードビジネススクールでMBA取得後、IDEOの日本オフィスの立ち上げに参画し、同支社代表兼マネジング・ディレクターを務める。国内外のさまざまな企業・団体のプロジェクトを手がける一方、ベンチャーキャピタルファンドD4Vの設立にもファウンディングメンバー兼パートナーとして関わる。現在は大手グローバルコンサルティング企業の執行役員兼パートナーとして新たな未来戦略×デザイン×イノベーション組織の立ち上げに挑戦中。名古屋商科大学大学院国際アドバイザリーボードメンバー。

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