市販の「総合感冒薬・痛み止め」購入時の落とし穴 薬剤師のアドバイスで「健康被害を逃れた例」も

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店頭で手に取った薬をそのまま使っていたら、不適切な使用となり、あやうく健康問題が生じたかもしれない事例もあります。

CMやキャッチコピーで選んでいない?

皆さんはOTC医薬品を買うとき、どのように選んでいますか?

「CMでよく見かけるから」「近所のドラッグストアの品揃えの中から適当に」「パッケージに書かれたキャッチコピーが自分の症状にあっているように思ったから」。いろいろな理由があると思います。

では、その薬が今の自分にぴったりなのかというと、そうともいえないケースが少なくありません。

「お客様がOTC医薬品を買う際は、症状や用途、自動車運転をするか、高血圧などの持病があるかなどを確認します。そのうえで、副作用などの健康問題が生じるおそれがあると判断した場合、医療機関への受診や、服用に問題のない別の商品をすすめることもあります」

そう教えてくれたのは、有限会社ウインファーマ(神奈川県横浜市)セルフメディケーション推進室室長の鈴木伸悟さん。

実は、このような介入を行ったところ、実際に商品が変更になった事例は少なくなかったといいます。

鈴木さんは就実大学薬学部臨床薬学研究室との共同研究で、OTC医薬品を購入する際に、薬剤師のアドバイスなどの介入を必要とするOTC医薬品販売の実態について調べました。

研究では、対象期間中(2022年11月1日~2023年4月30日)に、OTC医薬品の購入を希望して薬局に来た人に対し、薬剤師が応対した事例は874件ありました。

このうち、購入者自身が商品を選んでレジに持ってきたケースは493件、 うち薬剤師のアドバイスで、最初に選んだものと違う商品を購入した件数は89件(18.1%)でした。

これらは、そのまま薬を使っていたら起こっていたかもしれない副作用などの健康問題を未然に防いだ「プレアボイド(薬の有害事象を防止・回避)」のケースです。

プレアボイドとは、Prevent and avoid the adverse drug reactionをもとにした造語で、患者が安全で適切な薬による治療を実践できるように、薬剤師が未然に有害事象などを防止したり、回避したりする取り組みのことをいいます。

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