市販の「総合感冒薬・痛み止め」購入時の落とし穴 薬剤師のアドバイスで「健康被害を逃れた例」も
②「どの薬がいいかわからないから、とりあえずいろいろな症状に効く薬を買っておこう」の落とし穴
ドラッグストアのかぜ薬のコーナーに行くと、さまざまな種類の薬が置いてあります。
パッケージのキャッチコピーを読んでみても、どれが自分の症状に一番あっているのかわかりづらく、とりあえず鼻水・くしゃみ、のどの痛み、咳、熱など、さまざまな症状に効果がある薬(総合感冒薬)を選んでしまいがちです。
「いろいろな症状に効果があるということは、配合されている成分の種類も多くなります。その分、副作用や相互作用 (薬同士の飲み合わせで薬の作用や副作用が増したり、弱まったりすること)などのリスクが高まります。また、高血圧、糖尿病などの持病で治療している場合、服用できない成分が含まれていることがあるので、注意が必要です」(鈴木さん)
と挙げてくれたのは、総合感冒薬のパブロンエースPro-X錠をレジに持ってきた40代男性の例です。
男性は「微熱、咳、鼻水の症状がある」と言います。パブロンエースPro-X錠のパッケージを見ると、確かに「つらいのどの痛み・せき・鼻みず・熱に」と書いてあります。
服用に問題はなさそうに思えますが、鈴木さんが持病を尋ねると「高血圧の治療をしている」とのこと。そこで別の薬であるパブロンSゴールドW錠をすすめました。
「パブロンエースPro-X錠は、高血圧の診断を受けた人は服用できません。なぜならこの薬には交感神経を刺激し、血管を収縮させて鼻づまりを改善する成分『塩酸プソイドエフェドリン』が配合されていて、血圧を上昇させるおそれがあるためです。そこで、同じパブロンシリーズでも、プソイドエフェドリンが配合されていないパブロンSゴールドW錠をおすすめしました」(鈴木さん)
持病のある人のかぜ薬の選び方
治療中の病気がある人が、かぜの症状をOTC医薬品でセルフケアする場合は要注意です。
①特に気になる症状に対してピンポイントで効果がある薬を選ぶ、②複数の症状がつらく、総合感冒薬がほしい場合は薬剤師などの医療従事者に相談する、といった対処が必要。
副作用などのリスクを回避するように心がけることが大切です。
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