市販の「総合感冒薬・痛み止め」購入時の落とし穴 薬剤師のアドバイスで「健康被害を逃れた例」も
年末が近づいています。年末年始は医療機関も休みになることが多いため、ちょっとしたかぜや体調不良のとき頼りになるのがOTC医薬品です。
「私たちの研究では、薬剤師の介入で薬の変更に至ったケースが最も多かったのは、かぜ薬や解熱鎮痛薬などでした」(鈴木さん)
その数は89件中44件と、およそ半数にのぼったといいます。
薬の変更が多かったかぜ薬や痛み止め
かぜ薬や解熱鎮痛薬は、かぜによる発熱などの症状があるときに使う身近な薬です。いったいどんな「落とし穴」があって、購入者は適切な商品を選ぶことができなかったのでしょうか。鈴木さんに実際にあった事例を交えて注意点を教えてもらいました。
①「アセトアミノフェンは小さな子どもから高齢者まで服用できる」の落とし穴
コロナ禍で解熱鎮痛薬の「アセトアミノフェン」が広く知られるようになりました。有効成分として、アセトアミノフェンのみを含むOTC医薬品にタイレノールAという商品があります。
ある日、鈴木さんの薬局にタイレノールAの購入を希望する40代の女性がやってきて 、「12歳の子どもが発熱した」と言います。一見、問題なさそうに思えますが、鈴木さんは女性に別の商品をすすめました。
「タイレノールAは15歳以上の人は服用できますが、15歳未満の人は服用できません。そこで、7歳から服用可能なノーシンアセトアミノフェン錠を紹介しました」(鈴木さん)
女性は、アセトアミノフェンならどの商品でも、小さな子どもから高齢者まで服用できると思っていたそうです。アセトアミノフェンが幅広い年齢の方でも服用できるという女性の認識は間違っていませんでしたが、年齢にあった用量の商品を選ぶという視点が抜けてしまっていたようです。
「OTC医薬品を選ぶときは、その商品を使用できる年齢かどうかの確認が大切です」(鈴木さん)
OTC医薬品は種類が多く、商品によって服用できる年齢がさまざまです。特に子どもの薬選びの際には、店頭にいる薬剤師などの専門家に聞いてみるとより安心です。
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