震災による雇用への影響は限定的、GW以降回復続く--震災後3カ月間の採用動向

震災による雇用への影響は限定的、GW以降回復続く--震災後3カ月間の採用動向

東日本震災から3カ月間の企業の採用活動と、今後の見通しについてインテリジェンスHITO総合研究所の美濃啓貴・主任研究員に聞いた。

--3月11日の地震発生から3カ月が経ちますが、転職市場の新規求人状況はどのようになっていますか?

 転職市場の新規求人総数は震災のあった3月第2週を100とすると、3月第4週の71.6を底に回復傾向にある。特にGW(ゴールデンウィーク)明けの5月第2週には震災前と同水準まで回復し、その後も増加が続いている。昨年と比較しても求人数はほぼ同数であり、転職市場における震災の影響は限定的だ。

今年は震災により、新卒採用のヤマが例年の4月から6月にずれ込んだ。その影響で転職求人は7月から増加すると予測している。

--業種別の傾向は?

採用活動再開が遅れていたメーカー(電気・電子・機械・輸送機器)は、5月のGW明けには採用を再開。5月第3週目には、求人数が震災前の水準を上回った。さらに第5週には震災前を約30%上回っている。多くの企業が「採用計画を変更しない」という方針を固めている。

一方、4月中旬に震災前の求人数を上回った建設・不動産業界では、その後横ばいが続き、5月第4週には増加したが、絶対数では昨年を下回っている。復興に伴って採用ニーズが増加しないのは、昨年から正社員がだぶついていたためだ。ただ、耐震補強や改修分野で即戦力が求めれており、7月以降は求人数の増加が期待できる。

IT・通信・インターネット業界の求人数は昨年とほぼ同じトレンドで推移している。この業界は通年採用を行うほど採用意欲が高く、震災による影響をあまり受けなかった。

--地域ごとの特徴はありますか?

関東よりも中部や関西の方が採用意欲が高い。関西で企業の人事担当者が集まると採用が話題になるが、関東ではそうならない。関東は原発事故や計画停電の影響を受けている。節電のために仕事の日数を減らそうといった雰囲気の中では、求人が大きく伸びない。

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