「10浪で東大合格」も"入学辞退"彼の決断の裏側 長年の目標を達成した一方で芽生えた新たな夢

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「男なら、前期1本理科三類」さんは、大阪府で高卒の両親のもとに生まれました。父親は工場勤務、母親は事務の仕事をしていたそうですが、小学校3年生のときに父がギャンブルで作った借金が原因で離婚したそうです。

「義父と再婚するまでの5~6年間は、母の手ひとつで育ててもらいました。母親は自分自身が苦労してきたので、しつけ自体はきびしくなかったのですが『しっかりせんと、待遇が悪くなる』と言われました」

ハングリー精神を持て」と言われて育った彼は、同世代に比べて発達が遅い子どもだったらしく、できないことが多かったそうです。

「小学3年生のときの成績は、35人中ビリから2~3番目でした。背も低かったですし、『頭悪い』とか『男らしくない』とか不器用であることをなじられて、いじめられていました。当時は成績も運動能力も発言力も、何もかも思うように伸びない子どもで、こんな扱いを受けるのは、『自分の能力が低いせいだ』と思っていました」

珠算塾で勉強の楽しさに目覚める

そんな彼が初めて「楽しい」と思えた経験が、小3~4で珠算塾に入ったことだったと言います。

「できなくても文句を言われたり、同級生にバカにされたりしない場所だったので楽しかったです。世の中は数字でモノが回っていることに気づくようになって、数字に強いといろいろ役に立つと思えたのもよかったですね。ここでのびのび勉強できたことが、のちの大学受験で役に立ちました」

「何も取り柄がないから、家でもがっつりそろばんをやった」と語る彼は、小6で珠算検定1級を獲得します。しだいに彼はほかの勉強にも興味を持ち始め、ほかの科目も下位3分の1くらいの順位まで上がったと言います。

この勉強の過程で「結果を出すときに無駄を削る」ということに気づいた彼は、中学に上がってから一気に成績を伸ばしました。公立中学に上がってからの初めての中間テストでは200/500点でしたが、冬の定期試験では400/500点を獲得できるようになったのです。

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