「新NISAを軽視する人」が結局FIRE失敗する理由 長期戦略がかえって早期のFIRE達成を近づける

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そのため、「枠の復活」を最大まで活用するためには、つみたて投資における明確な売却基準を持っておくことが大切です。

つみたて投資で「売却」をする2つの基準

そこで、私がつみたて投資においてファンドを売却する際に意識している、2つの基準をご紹介します。

基準①資産運用シミュレーション結果を大きく上回る

私は毎月決まった日(月末など)に運用状況を確認しています。それと同時に、運用シミュレーションを使って想定利回りから算出した現時点での理論上の数値と、実際の数値を比較します。

実際の数値がシミュレーション結果を大きく上回るようなら、一旦の売却を検討してもいい時期だと考えています。

基準②含み益の利益率が20%を超えている

次に、証券口座のサイトや株の管理ソフトKaView (カビュウ)などを通じて、現在の含み益の利益率を確認してみましょう。

利益率が20%を超えていた場合には、一度持っているファンドを売却して、再び積み立てをやり直すことにしています。

この2つの基準に沿って売却を行えば、「枠の復活」をうまく活用できる可能性が高まります。頻繁に売買するような取引手法でもないですし、月1回の判断で基準が明確化されていればミスも起こりません。

ここで挙げた基準はあくまでも私の基準ではありますが、ぜひ参考にしてみてください。

また、この基準(利益率20%超え)を満たすほど指数が上がっているということは、相場が過熱している可能性も高く、NISA枠以外の個別銘柄についても、売却を検討する1つのきっかけになります。

このように、新NISAの「併用」と「枠の復活」を意識するとさらなる資産増や運用効率アップを狙うことができ、短期的な利益が見込めないからといって新NISAを軽視することは、かえってFIRE達成を遠ざけてしまうことになるのです。

森口 亮 個人投資家、投資系YouTuber

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もりぐち・まこと / Makoto Moriguchi

個人投資家、投資系YouTuber。1983年埼玉県生まれ。

2011年、一念発起し貯金ゼロから投資を始め資産を10倍に増やすも、チャイナショックで大失敗。資産ゼロからの再スタートを余儀なくされる。

試行錯誤を重ね、「有望な成長株を中・長期的に狙う攻めの個別株投資×守りのつみたて投資」という投資手法を継続し、再スタートから5年でサイドFIREを達成。以降も着実に資産を増やしている。

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