若手の「びっくり退職」に上司が気がつけない事情 周囲が驚く「突然の退職」が増えている背景3つ

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最大の問題は、私たち昭和世代の人間に

「退職のウラには、深刻な問題があるに違いない」

という先入観があることだ。しかし、さすがにこの考えは古い。転職は昔よりもっとカジュアルなイベントになっている。

ちょっとしたきっかけで、ふと

「転職していいかも」

と思ってしまうものなのだ。深刻に考えることなく、軽い気持ちでそういう選択をするもの。そう受け止めよう。

入社と同時に会社側がすべきこと

だから、入社と同時に釘を刺しておく。

「誰だって長く働いていたら退職したくなるときはある。本当はそうしてほしくないけれど、もしも退職について真剣に考えはじめたら、できる限り早く教えてほしい」

と伝えるのだ。

「びっくり退職」されたときのダメージ、影響の大きさをリアルに伝えておく。本人がイメージしているよりも深刻な影響があるので、どんなに最後の数週間がんばったとしても埋め合わせにならないと、ハッキリ言っておくのだ。

縁起がいい話ではない。しかし大事な話である。遺書がないと、相続で揉める。それと一緒だ。

もう一つの対策としては、「近い未来」の約束もしておくことだ。

肩書や報酬の約束ではない。スケジュールに記せるような具体的な内容にしておく。

「2024年の4月からはじまる新プロジェクトのサブリーダーをお願いする。今から予定しておいて」

「2025年の1月からは、一緒にシンガポールの企業を視察に出かけよう。今から先方の企業と打ち合せをはじめてほしい」

そして定期面談で、これら未来の約束事に関するディスカッションをしていくのだ。

このように具体的な予定が入っていて、上司が真剣にそのことに向き合っているとわかっていたら、もし退職を決断したとしても早め早めに相談をしてくるだろう。

どんなに対策をとっても退職をゼロにすることは難しい。多様な選択肢が存在する現在において、離職率がゼロに近い企業のほうが異常だ。

くどいようだが、退職を防ぐための対策は常日ごろからしておくことだ。あとは「びっくり」しないための対策しか残っていない。

横山 信弘 経営コラムニスト

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よこやま のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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