WTP(Willingness to Pay)とは、顧客が商品に対していくら払えるか、払える金額の最大値を見定めて値決めをするという考え方です。
別の言い方をすると、生活者から見た“価値”ベースの値決めです。
掛け率から判断する原価ベースの値決めとは真逆のアプローチと言えます。
アパレルで「一律の値上げ・値下げ」は不向き
たとえば、掛け率や過去の慣習から1万4200円で売っているニットがあったとします。
これをWTPに基づき分析すると、1万4900円でも売れる数量はほとんど変わらないということがあります。このWTPの上限を見極めた価値ベースの値決めが粗利を増やす第一のポイントです。
ここで大事なのは、どこまで価格を上げるとWTPが下がるか、売れる数量が大きく減るかは、アパレルの場合、カテゴリーやSKU(
そのポイントを「価格の崖」と呼びます。
アパレルの場合、インナーウェア、シャツ、重衣料、靴・アクセサリーなど、カテゴリーが多岐にわたりますので、各カテゴリーやSKUによってWTPの上限である「価格の崖」が異なり、それらをしっかり見極めることが値決めのうえで重要です。
したがって、一律の値上げや値下げといったアプローチは、アパレルにおいては不向き、悪手となります。
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