苦戦する「日本アパレル」、値上げする"4つの秘策" 「一律の値上げ・値下げ」はNG!では、どうする?

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④ 「科学的な値引きルール」の確立

国内アパレルでは、30%オフ、50%オフというようなオフ率ベースの値引きが一般的です。

しかしながら、オフ率ベースの値引きには「2つの課題」があります。

値引きにおける「2つの課題」とは?

第1に、WTPおよび端数価格を考慮しないことによる粗利の取り逃しです。

たとえば、2万9000円のニットを単純に30%オフにすると、2万300円です。

この場合、大きく2つの改善機会があり、端数価格を調整して1万9900円(32%オフ)にしたほうが、消化率が上がり粗利が最大化できるケースと、2万円台で売り切れる商材と判断できる際は2万900円(28%オフ)にしたほうが粗利を最大化できるケースがあります。

いずれにせよ、単純にオフ率を設定するのではなく、顧客のWTPを見極めて、価格を最終調整したほうが、粗利を最大化できるのが定石です。

第2の課題は、30%、50%、70%というようにオフ率を設定してしまうと、顧客にパターンを認識されてしまい、「このまま待てば値引き率が下がる」と思われてしまうことがあることです。

特に、値引きが常態化しているブランドの場合、足元をみられてしまうケースが多く、注意が必要です。

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