仕事多くて悩む人に伝えたい、頭を切り替える極意 「認知的柔軟性」を鍛えるエクササイズも伝授
私の場合、第1回のテストで26.88秒かかった。つまり、メンタル・セッティングを切り替えるのに、前ページの数列でのテストより5.56秒、長くかかったわけだ。2つめのテストのほうが難しいのは、1つめではメンタル・セッティングを切り替える必要が一度しかなかったのに、2つめでは何度かあったからだ。
さて、あなたの結果はどうだっただろうか。自分で数列を考えて、そのなかでランダムに半分ほど太字にすれば、独自のテストをつくることもできる。タスク切り替えのトレーニングを定期的に繰り返せば、脳の柔軟性を訓練できる。このテストにこだわらず、次のように日常のタスクをこなしながら「切り替える力」を鍛える工夫をするのもいい。
認知的柔軟性とは、日常生活ですばやく柔軟な対応をするための重要な能力だ。休憩をとったあとに仕事を再開する、平日によく働いたあとで休日にくつろぐ、ある活動をやめて別の活動を始めるといった場合、スムーズに移行するには認知的柔軟性を発揮しなければならない。その際に必要となるスキルを強化する簡単なエクササイズを紹介しよう。
この簡単なエクササイズには驚くほどの効果がある。第一に、あるタスクを達成するのにかかる時間を予測するのが得意かどうかがわかる。
私たちはたいてい、メールを書くような簡単な作業にかかる時間を短く見積もる傾向にあるからだ。第二に、タスクの切り替えを効率よくできるようになる。週に1回ほど、このエクササイズをおこなえば、認知的柔軟性をかなり高められるだろう。
上級バージョンもある
このエクササイズの上級バージョンは、ランダムな間隔でアラーム音が鳴るようにタイマーをかけるものだ。
まず、30分間でおこなうタスクを3つ決める。30分間で6回ランダムな間隔でアラームが鳴るようにタイマーをセットし、1つめのタスクから順に取りかかる。タイマーが鳴ったら、タスクの途中でもすぐに次のタスクに移らなければならない。1~3の順で3つのタスクを次々と切り替え、それを30分間おこなう。
この上級バージョンでは休憩時間がない。エクササイズをおこなうのは作業の効率化ではなく、認知的柔軟性を鍛えるためだからだ。定期的に実行すれば、脳の柔軟性も高まり、ちょっとした用事を片づけることもできるだろう。
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