カワサキ「ニンジャ7ハイブリッド」世界初に迫る 日本初披露ストロングハイブリッド搭載モデル

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ニンジャ7ハイブリッドのサイドビュー
ニンジャ7ハイブリッドのサイドビュー(写真:カワサキモータース)

以上が、ニンジャ7ハイブリッドの概要だ。カワサキでは、このモデルを国内導入することは明らかにしているが、発売時期や価格などについては未発表で、「準備が整い次第改めて案内する」としている(2023年10月25日現在)。世界初のストロングハイブリッドバイクだけに、いったいどの程度の価格になるのかはとても気になるところ。また、エンジンと走行用モーターという2つのパワートレインを駆使することで、どのような走りを体感できるのかも非常に興味深い。そのあたりは、続報を待つしかないだろう。

100%電動バイク「ニンジャe-1」にも注目

ニンジャ7ハイブリッドとともにジャパンモビリティショー2023に出品されたニンジャe:1
ニンジャ7ハイブリッドとともにジャパンモビリティショー2023に出品されたニンジャe-1(筆者撮影)

ちなみに、カワサキは、今回のジャパンモビリティショーに、走行用モーターとバッテリーで100%走る電動バイク「ニンジャe-1(Ninja e-1)」も公開した。400ccクラスのロードスポーツをベースにした軽量な車体に、低速域での力強いレスポンスを持つコンパクトな電動モーターを搭載したのがこのモデル。こちらも、かなり注目度は高いのだが、1回の充電あたりの走行距離が72km(WMTCモード値)しかないのがネック。スポーツバイク・ユーザーの多くが楽しむロングツーリングなどには、ちょっと使いづらい。そのためか、現時点でこのモデルについて国内導入のアナウンスはなく、今のところ欧州や北米など海外のみでの販売となるようだ。

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従来、国産2輪メーカーが販売する電動化モデルは、商用車やスクーターなど近距離移動用が主だった。4輪車と比べ、車体が小さなオートバイでは、大容量バッテリーが搭載できず、航続距離が短いためだ。ツーリングやキャンプなど、遠方への旅を楽しむユーザーが多い大型や中型のバイク向きではない。また、欧米や中国など海外では、スタートアップ企業などがスポーツ仕様の電動バイクを販売しているが、日本市場ではまだ一般的ではない。カワサキがニンジャe-1の導入を、現時点では欧米などに絞っている理由には、そんな背景もあることがうかがえる。

ともあれ、ストロングハイブリッド機構を採用することで、電動化オートバイの課題を解消しているといえるのがニンジャ7ハイブリッドだ。高性能と良好な燃費を両立し、地球環境にも配慮したこのモデルに対し、日本のユーザーがどのような反応を示し、セールス的に成功を収めることができるのかが今後注目だ。

イタリア・ミラノで開催された2輪車ショーEICMA2023で発表されたZ7ハイブリッド
イタリア・ミラノで開催された2輪車ショーEICMA2023で発表されたZ7ハイブリッド(写真:カワサキモータースジャパン)

なお、カワサキは、イタリア・ミラノで開催された2輪車ショー「EICMA2023(一般公開11月9~12日)で、同じくストロングハイブリッド機構を採用した「Z7ハイブリッド(Z7 Hybrid)」も発表した。ニンジャ7ハイブリッドと同様のエンジンや走行用モーター、バッテリーなどを搭載し、ネイキッドと呼ばれるカウルレスのスタイルを持つスポーツモデルだ。こちらも、欧州など海外だけでなく、国内導入も予定されており、電動化モデルのラインアップ強化を図っている。まだ、日本での発売時時や価格など、詳細は未発表だが、このモデルも高い注目を集めることは間違いないだろう。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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