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収束の兆しを見せない新型コロナウイルス感染症も追い風となって、国内の2輪車販売が好調だ。
全国軽自動車協会連合会の発表によると、2021年の小型2輪車(251cc以上)の販売台数は前年比124%、軽2輪車(126〜250cc)は106.1%となっている。前年割れの4輪乗用車とは対照的だ。
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では、どんな車種が人気なのか。2月25日から27日まで、東京ビッグサイトで開催された「第49回東京モーターサイクルショー」を訪れると、いくつかの傾向があることを理解した。
以前から人気だった、4輪のSUVに相当するアドベンチャーツアラーや、レトロデザインの車種に加え、今回は電動バイクが一気に増加していた。そしてプレミアムブランドも目立っていた。
イタリアのビモータ、MVアグスタ
個人的にまず注目したのは、イタリアのビモータだ。2019年に再生支援のため川崎重工業(カワサキ)が出資を行い、エンジンなどを供給。日本総輸入元にもなった。よって、最新作「KB4」はカワサキのブースに展示されていた。
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ビモータは1972年に第1号車を発表。日本車やドゥカティなどのエンジンを美しく軽く強靭なトラスフレームに搭載するという成り立ちで、4輪車を思わせるハブセンター式ステアリングを装備した「テージ」などが知られている。
KB4はカワサキ「ニンジャ1000SX」と基本的に同じ1000cc並列4気筒を積むが、ラジエーターをリアに置くなど独創的な設計のおかげで、車両重量は40kg以上軽い194kgに収まる。
丸型ヘッドランプを収めたカウル、リアのスイングアームなど、イタリアならではの美へのこだわりにも魅了される。価格はニンジャ1000SXより286万円高い437.8万円だが、実車を見れば納得という人は多いだろう。
イタリアのプレミアムブランドと言えば、MVアグスタも外せない。ヘリコプターで名を成したアグスタが第2次世界大戦後、平和産業を模索する中で生み出したモーターサイクルだ。
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当初からレースに積極的に挑戦したことが特徴で、参戦開始の年に初勝利を挙げると、1977年までにロードレース世界選手権で270勝を数え、37回のワールドタイトルを獲得するという大記録を打ち立てた。
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