そのKTM、近年はスウェーデンのハスクバーナ、スペインのガスガスとグループを結成している。どれもオフロードを得意とするブランドだが、ハスクバーナは近年、KTMの経験を生かしてロードスポーツやアドベンチャーツアラーをリリースしている。
今回のハスクバーナの主役は、このブランドの新たなフラッグシップであり、初のアドベンチャーツアラーでもある「ノーデン901」。「KTM890アドベンチャー/アドベンチャーR」と同じ890ccの並列2気筒エンジンを積む。価格は174.5万円だ。
ちなみにこの価格は、エンジンを共有するKTMと同レベル。つまりKTMとハスクバーナは上下関係をなすわけではない。
切れ味鋭いスタイリングとオレンジのイメージカラーが鮮烈なKTM、北欧生まれらしいモダンで独創的な造形とシックなカラーコーディネートのハスクバーナというテイストで、差別化を図ろうとしているようだ。
2輪界のフェラーリ、ヴァイルス
では、4輪のフェラーリに匹敵するようなブランドはあるのだろうか。モーターサイクルショーに展示された車種の中では、ヴァイルスではないかと筆者は思っている。
ヴァイルスは1985年、イタリアで設立された。当初は一品製作のカスタムを目的としていたが、その後、高度な技術とデザインを備えたモーターサイクルの生産に転換。2003年に最初の車種を発売して以来、4種類のモデルが作られている。
モトコルセが出展したヴァイルスの「エイリアン988」は世界限定20台で、価格2288万円だ。
ドゥカティのL型2気筒エンジンを独自のオメガプレートで左右から挟み、そこから前後のスイングアームが延びる構造で、フロントはハブセンター式。ハンドル操作は油圧ケーブルでハブに伝える。専用デザインのホイールはカーボン製だ。
その造形は、デザイナーの気持ちがストレートに伝わってくるもので、アートと呼んだほうがふさわしい。もちろん多くの人にとって縁遠い存在ではあるが、こういう自由闊達な作品を市販できることも、モーターサイクルの魅力の1つではないかと思った。
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