崖っぷち「ぐるなび」楽天頼みで復活期す危うさ 出資比率16%弱でも「楽天ぐるなび」へ名称変更

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「ぐるなびは元々、ポイント還元率が高く宴会の幹事に好まれていた。楽天ポイントを前面に出したのも、ポイント還元を重視するユーザーが多いことを自覚しているのだろう」(先述の競合グルメサイト関係者)

しかし頼みの楽天は携帯電話事業への巨額投資が負担となり、業績が悪化している。各種サービスでの楽天ポイントの還元率悪化が続いており、そのたびに「楽天改悪」のワードがSNSでトレンド入りするなど消費者の不評を買っている。

若年層に顕著なグルメサイト離れ

食べログは、従来の「Tポイント」に加えて、11月末から三菱商事やローソンなどが共同展開する「Ponta(ポンタ)ポイント」を付与するサービスを開始する予定。今後、消費者の「楽天離れ」が進めば、ぐるなびの楽天ポイント付与という金看板の優位性も揺らいでくる可能性がある。

ぐるなびは新たな収益源を構築することが急務だ。2022年には楽天から引き継ぐ形でデリバリー・テイクアウトサービスを立ち上げたが、1年余りで撤退している。

現在、最も注力しているのがモバイルオーダーサービスの「ぐるなびFineOrder」。客のスマホからQRコードを読み込むことで料理の注文と決済ができる。大手居酒屋チェーンなどで導入が進んでおり、ぐるなびも営業体制を強化中だ。

一方で飲食店の利用者の間では、グルメサイト離れが進む。とくに若年層が顕著で、グーグル検索やSNSなどで飲食店を探す動きが拡大している。飲食店を探して予約する従来型のグルメサイト事業だけで成長戦略を描くことは、厳しくなってきている。ぐるなびは既存事業の立て直しと、新規事業の創出という2つの難題に直面している。

岸本 桂司 東洋経済 記者

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きしもと けいじ / Keiji Kishimoto

全国紙勤務を経て、2018年1月に東洋経済新報社入社。自動車や百貨店、アパレルなどの業界担当記者を経て、2023年4月から編集局証券部で「会社四季報 業界地図」などの編集担当。趣味はサッカー観戦、フットサル、読書、映画鑑賞。

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