崖っぷち「ぐるなび」楽天頼みで復活期す危うさ 出資比率16%弱でも「楽天ぐるなび」へ名称変更

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「定額課金」「居酒屋」に依存

一方、カカクコムが運営する食べログの回復力は際立っている。11月7日に発表した2024年3月期中間決算(4~9月期)は、食べログ事業の売上高は前年同期比20.5%増の130億3600万円となった。食べログ事業の損益は開示されていないが、同事業や価格比較サイト「価格.com」を含むセグメント利益は同5.4%増の110億円と好調だ。

食べログと比べると、ぐるなびの回復スピードは明らかに遅れている。大きな差がついた背景には、大きく2つの理由がある。

1つ目が両社の収益構造の違いだ。グルメサイトの収益源は主に、飲食店の紹介や写真掲載などのサービスを提供することによる月額固定の販促サービス手数料と、飲食店がサイトのネット予約機能を経由して予約を獲得した人数に応じて従量課金する予約手数料に分けられる。

ぐるなびの場合、月額固定型の売上高が全体の6~7割にもなり、5割前後の食べログと比べて比率が高い。コロナ禍前のぐるなびの主力プランは月額5万円で、2.5万円プランを展開する食べログと比べて高額だった。それでも情報掲載だけでなく、経営分析など手厚い支援を提供するぐるなびへの需要は大きかった。

しかし、コロナ禍で事情が変わった。飲食店は売り上げの急減に見舞われ、固定費となる月額手数料が重荷になった。飲食店は固定費削減のため、サービスを解約したり低額プランに変更したりする動きが相次いだ。

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