24万円の「MacBook Pro M3」を使い倒してみた 入門機で動画編集もゲームも十分すぎる性能

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加えて、14インチの新しいボディに起因する、磁石を用いた充電専用のコネクター「MagSafe」や、映像出力ができるHDMIコネクター、カメラの写真やビデオを取り込めるSDXCカードスロットもボディに搭載され、USB-Cハブを持ち歩かなくても困らなくなる。

機械学習処理の性能アップもより重要に

Open AIのChatGPTで一躍有名になった生成系AI。これは人工知能や機械学習処理のわかりやすい活用事例だが、実は我々が普段、日常的に使っているパソコンでも、機械学習処理や人工知能の導入が進んでいる。

例えば、Macであれば、漢字・仮名交じりの文章に変換する「日本語入力」も、新しい「Transformerモデル」という機械学習処理に切り替わった。またやはりMacのOSに備わる音声入力も、同じ機械学習モデルを用いて、ネット接続がない環境でMac本体のみで処理される。

そのほかにも、写真に写っている被写体を認識したり、被写体と背景を切り分けるといった画像処理。録音されている音声をテキストに変える「文字起こし」。こうした処理を自動化するため、人気のあるアプリケーションにAIが搭載された。

Adobe Premiere ProでAIを用いた文字起こしを行った画面。27分のビデオを1分半ほどで文字起こしし、テキストで動画編集ができる画期的な生産性をもたらす(筆者撮影)

例えば筆者が使っているAdobe Premiere Proには、クラウドサーバーを使わず、本体で処理する音声の文字起こし機能が搭載された。これまでは、自分の耳で聞き取って、キーボードを叩いて文字を書き起こす必要があり、10分の内容に対して、早くても20分〜30分かけていた作業を、AIが自動的に行ってくれる仕組みだ。

動画編集のAdobe Premiere Proで27分の動画編集を行ったが、これだけの長さの文字起こしを、1分半でこなしてくれた。同じ文字起こしの機械学習処理について、M3搭載MacBook Proは、M1 Max搭載MacBook Proよりも30〜45秒速く作業を終了させている点にも驚かされた。

CPUやGPUだけでなく、「ニューラルエンジン」と呼ばれる機械学習コアの高速化もまた、M3の魅力となっており、今後も増え続けるAI活用のアプリケーションに難なく対応してくれることを表している。

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