24万円の「MacBook Pro M3」を使い倒してみた 入門機で動画編集もゲームも十分すぎる性能

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ビデオ編集をしていても、2機から1機に減らされた内蔵ファンの音が聞こえることや、本体が熱を帯びることも感じられなかった。それでいて、M1 Maxの手元のマシンと同じ体験ができることを考えると、Appleシリコンが目指している性能と省電力性のバランスを追求する姿勢が、2年、3世代でより充実したことを表している。

メモリーとストレージは増やしたい

2年前に40万円前後で購入した筆者のM1 Maxモデルと性能面で遜色ないどころか、より高いバッテリー性能を引き出している。「M3」搭載のMacBook Pro 14インチは、24万8800円(税込)からとなっている。ただ、この状態ではメモリーが8GB、ストレージが512GBだ。

今回使ってみた感想として、「かなり多くの人にとって、長期間、メインマシンとして使っていくことができるだけの性能を備えている」と結論づけている。現状、ビジネスユースでは過剰と言えるほど、クリエイティブ作業では十分な性能を、多くの人が体験できる、ということだ。

Wi-Fi 6Eに対応し、ルーターを揃えれば6GHz帯域を用いた快適な通信が可能になる(筆者撮影)

となると、そのことを見据えて、メモリーとストレージを増やしておくべきではないか、と考えている。16GBのユニファイドメモリー、そして1TB SSDストレージのオプションが最適だ。

しかしそうすると、それぞれのオプションが2万8000円ずつとなり、30万4800円(税込)という金額まで上がってしまう。現行のレートが1ドル150円の中、MacBook Pro M3モデルは1ドル141円45銭、オプションは1ドル140円と、かなり日本市場を優遇したレート設定を行っているが、割高感は否めないだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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