おさんぽで50kg減の医師が伝授「飽きない歩き方」 コース設定の仕方など、続けられるコツとは?

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そして、ここで重要なのは、コース設計を複数作るということです。1日何十kmも歩けば当然体重は減りますが、仕事が忙しい日があったり、疲れ度合いも違うので、毎日同じ距離を歩けるとは限りません。また、おさんぽは天候にも左右されます。

「雨が降ってきたから、ショートカットして帰ろう」という日や、「今日は時間もあるし、気分が乗っているから20km歩けそう」という日がありますが、やみくもに歩いていると、自分が何km歩いたかわからなくなってしまいます。

そこでコース設計のバリエーションをたくさん作っておけば、「今日は時間がないので3kmのコースにしよう」とか、「10km歩けると思っていたけど、疲れてきたのでショートカットして8kmのコースに変更しよう」など、途中で計画を変更することもできます。

コース設計をするときは、遊歩道や公園の外周など、キロ数が書いてあるものを目安にしたり、Googleマップでも距離を測定することができます。川沿いの土手を歩いて1番目の橋で折り返すと何km、橋を渡って大回りをすると何kmというように、マップ上で測っておくといいでしょう。

コース設計もダイエットのうち

また、自分でコースを考えるのが面倒な人は、Trail Routerというアプリ(ウェブサイトでも利用可能)なら、5kmや10km、もしくは任意の距離を選択すると、いくつかモデルコースが示されるので、それらをストックしておくのもおすすめです。

頭の中にコースがいくつか入っていれば、その日の調子に合わせて歩くことができます。

「おさんぽ」というと、全行程を歩かないといけないと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。歩けるところまで歩いて帰りはバスや電車に乗ったり、おさんぽをする場所まで自転車で行くというのもOKです。

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また、おさんぽコースは平坦である必要はありません。人間の骨格上、登りの傾斜がついているほうが足に負担が少なくなります。

これは単純に、足を上げておろしたときに、登りのほうが速く足を着地できるからです。急すぎると、今度は体を持ち上げないといけないので逆にキツくなりますが、だいたい3度ぐらいの勾配が一番歩きやすいため、私はジムに行くときは、ルームランナーの傾斜を3度に設定しています。

ちょうどよい傾斜がある坂道を探すのは難しいですが、私がおさんぽコースに利用していた伏見稲荷は、鳥居から山門に行くときに傾斜がついていました。

フラットの道を歩いて神社にたどりつき、最後に鳥居から山門へ向かうと、ゆるやかな登り坂で心拍数が上がるので、脳が、気分が高揚したと認識し、ワクワクしてきます。

実はディズニーランドの入り口が登り坂になっているのも、ワクワクする仕掛けの1つと聞いたことがあります。

山門の場合は、帰りは下り坂になりますが、公共交通機関や自転車などを利用したコースの場合は、ところどころに上り坂を設定すると、モチベーションアップにもつながります。

石原 広章 石原クリニック院長

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いしはら ひろあき / Hiroaki Ishihara

京都府京都市出身。医師(開業医)の父の元に生まれる。京都府立医科大学大学院にて医学博士号を取得。京都府立医科大学産婦人科のスタッフとして5年勤務し、実家の「石原クリニック」に就職。院長就任後、クリニックの経営に力を入れていたこととコロナ禍の影響で、123kgまで体重が増加。50歳を目前に妻から極度の肥満を指摘され、ダイエット開始。行程11kmの伏見稲荷大社に毎日お参りし、1年でマイナス50kg達成。自身のクリニック(産婦人科)でも「3次元加速度トレーニングマシン」などを使用したダイエットを妊婦さんを含む女性たちに指導している。

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