糖質オフこそ「やせにくい体質」を作る元凶だった 「おさんぽ」で50Kg減に成功した医師が問題視

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やせるか太るかどうかは、極論をいってしまえば、「食べる量」と「消費される量」の差ですから、カロリー制限をすれば体重は落ちます。そして、普段の食事内容を見てみると、ご飯やパンなどの糖質が半分ぐらい含まれているので、主食を抜けば手っ取り早くカロリーが抑えられ、体重が落ちます。

しかし、これがリバウンドを引き起こす原因となっているのです。

糖質オフで「やせにくい体質」に

そもそも糖質とは、脂質、タンパク質と並ぶ三大栄養素の1つです。脳や筋肉のエネルギー源となるもので、人間が生きていくうえで欠かすことのできない栄養素です。自動車にたとえるとガソリン、燃料のようなものです。

糖質を摂った後、エネルギーとして使い切れなかったぶんは、グリコーゲンに変換されて肝臓や筋肉に貯蓄し、エネルギーが足りなくなると、このグリコーゲンが使われます。

糖質制限をすると、肝臓や筋肉内にあるグリコーゲンが枯渇するので、体は脂質やタンパク質をエネルギー源に使うようになります。すると、脂肪が燃焼されてやせるという仕組みです。

「だったら脂肪を減らすために、糖質制限をしよう!」と思うかもしれません。しかし残念なことに、燃焼するのは脂質だけではありません。脂肪だけが燃焼されるとうれしいのですが、一緒になってタンパク質も同時に燃焼されてしまいます。

タンパク質は筋肉を作るために必要な栄養素です。タンパク質が減量すれば、筋力も低下します。筋肉が減れば、基礎代謝も減ってしまいます。

さらに、糖質を抑えた食生活を長期間続けていると、血糖値を下げるためのインスリンの分泌が減り、糖質に対する耐性(糖への対応力)が低下します。

インスリンの分泌が少なくなれば、糖質がグリコーゲンに変換されませんから、余った糖質は中性脂肪となってお腹のまわりに、まるで浮き輪のように蓄積されることになります。

筋力が低下して基礎代謝も下がっていますから、脂肪も燃焼しづらく、どんどん「使えないカラダ」になって、今まで以上に太りやすくなります。

これが、糖質制限によるリバウンドの仕組みです。

テレビ番組などのダイエット企画で、1カ月で10Kg、15Kgと体重が減ったタレントさんが、気がついたらダイエット前より太っていたのは、こういう理由があったのです。

日本は「飽食の時代」といわれフードロスが問題になっていますが、そもそも人類は長い間、飢餓と闘ってきました。

その証拠に、人間は血糖値を上げるホルモンは、成長ホルモン・副腎皮質ホルモン・副腎髄質ホルモン・甲状腺ホルモン・グルカゴン・ソマトスタチンなどたくさんありますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンの1つのみです。

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