糖質オフこそ「やせにくい体質」を作る元凶だった 「おさんぽ」で50Kg減に成功した医師が問題視

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血糖値は悪者扱いされますが、糖は人間の貴重なエネルギー源です。血糖値が必要以上に下がって低血糖となると、けいれんや昏睡、意識障害などを引き起こし、ときとして死をもたらすこともあります。

生命を維持するために、糖は必要不可欠の栄養素です。そこで太古の昔から人類は、少ない食事量でも効果的に血糖値を上げて、糖をエネルギーに変えていく必要がありました。

ところが、糖質オフダイエットがマスコミでも取り上げられ、一気に市民権を得ました。しかし、糖質制限ダイエットが失敗する理由は、先ほどお話をした通りです。

特に若い女性は、糖質を食べないという極端な選択を取りがちです。しかも、その代わりに肉や魚などのタンパク質をしっかり取るかといえば、そうでもなく、かろうじて朝食にヨーグルトを食べて、昼夜サラダという選択をしがちです。

タンパク質は筋肉や骨、血などの材料になる栄養素です。老後の骨粗しょう症を防ぐには、いかに10代、20代で骨密度を上げておくかが重要になっていますが、これでは完全に栄養不足。骨までやせてしまいます。

「PFCバランス」を意識しよう

そこでダイエット中であっても、三大栄養素である糖質、脂質、タンパク質をバランスよく摂ることが大切です。「PFCバランス」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。この言葉は、P=Protein(タンパク質)、F=Fat(脂質)、C=Carbohydrate(炭水化物)の頭文字を取ったものです。

厚生労働省でも、生活習慣病予防の一環として、摂取カロリーに含まれるPFCの割合の指標を発表しており、タンパク質=13~20%、脂質=20~30%、炭水化物=50~65%と、約半分を糖質で占められています。

タンパク質の推奨量は、18~64歳の男性は1日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は1日50gです。炭水化物は、1日の摂取カロリーが2000kcalの場合は、1000~1300kcalになるので、1日250g~325gが目安となります。

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また糖質制限ダイエットとして知られているケトジェニックダイエットの場合でも、タンパク質:脂質:糖質=3:6:1として、糖質は必ず摂るようにしています。

ケトジェニックダイエットは、ケトン体(脂肪酸から作られるもの)をエネルギー源とするものです。エネルギーは糖質から優先的に作られるため、タンパク質をしっかりと摂ったうえで炭水化物の割合を減らし、脂質を摂る割合を多くしています。

PFCバランスは毎日朝昼晩と厳密に計算する必要はありませんが、1週間程度自分の食生活を記録して、どのような傾向にあるかを知ることが大事です。

過ぎたるは及ばざるがごとし。バランスを大切にしましょう。

石原 広章 石原クリニック院長

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いしはら ひろあき / Hiroaki Ishihara

京都府京都市出身。医師(開業医)の父の元に生まれる。京都府立医科大学大学院にて医学博士号を取得。京都府立医科大学産婦人科のスタッフとして5年勤務し、実家の「石原クリニック」に就職。院長就任後、クリニックの経営に力を入れていたこととコロナ禍の影響で、123kgまで体重が増加。50歳を目前に妻から極度の肥満を指摘され、ダイエット開始。行程11kmの伏見稲荷大社に毎日お参りし、1年でマイナス50kg達成。自身のクリニック(産婦人科)でも「3次元加速度トレーニングマシン」などを使用したダイエットを妊婦さんを含む女性たちに指導している。

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