私の祖父や親はカナダ移民だったから、差別された話はいっぱい聞いている。一方で私自身は、大企業だけでなく地方の旅館で働いている人をリストラしなければならないという状況を経験してきた。世の中にどんな人生があるのかということは、嫌というほど見る経験をした。
文化、人種、年代と多様性を高めていかないと、センサーは敏感にならないし、社会全体の幸福度も高まらない。日本企業の同質性は、日本企業の競争力低下の原因だといわれている。今回の件はいろんな問題と根っこの部分でつながっている。
「知らなかった」という言い訳は通らない
――ジャニー喜多川氏の性加害問題をメディアや企業は長年対応しないまま放置してきました。改めて、このことをどう受け止めていますか。
企業が間接的に加担してきたことは事実で、性加害があったことを知らなかったという言い訳は通らない。そうとう重い過失がある。しかも、(ジャニーズに関する特集番組を報じた)イギリスのBBCから指摘を受け、ようやく問題意識を持った状態だ。芸能界に限らず、日本企業は現在の取引先を総点検するべきだろう。
──企業はどの段階で動くべきだったのでしょうか。噂レベルでは知っていたと釈明する声もあります。
2004年の最高裁での判決確定(ジャニー喜多川氏の性加害を報じた文藝春秋社をジャニーズ事務所が訴えたが、文藝春秋が勝訴した)は重いと思いますよ。メディアはほとんど報道もしなかったが、少なくとも2004年以降、ジャニーズ事務所に対しては(性加害に関する)「合理的な疑い」があった。民事とはいえ判決が確定していた。それは一線を超えている。
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