バングラデシュで強盗事件多発、企業は日本人駐在員をどう守る?
最近、繊維業などを中心にバングラデシュが次世代新興国として注目されている。しかし日本企業にとってバングラデシュは未知の国であり、駐在員を派遣するにあたってわからないことが多い。
そこで、須貝信一ネクストマーケット・リサーチ代表取締役にバングラデシュの治安状況についてインタビューした。同社はインド、バングラデシュなど南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、進出支援コンサルティングなどを行っている。
--バングラデシュ進出を検討する日本企業の人事部が知っておくべきこととして、治安状況などについて教えて下さい。
あるバングラ進出日系企業の方が「とにかく夜の治安が悪い、怖い」とおっしゃっていました。実際、強盗事件も起きていてここ半年で4件の邦人被害が発生しています。詳細がわかる3件のうち1件が旅行者で2件が駐在者ですが、このうち2人はケガをしており、抵抗して銃で殴られた方と車に引きずられて負傷した方がいます。
駐在員の数からするとこの被害発生確率はかなり高いといえます。ここ最近、外国人に対する犯罪が増加しているようです。
また、被害に遭った時間帯は全員が「夜」です。2件は夜11時台にリキシャ(オート三輪車)に乗って降りたところで被害にあったらしいのですが、「バングラでなくても夜11時にリキシャに乗るという行為は無謀」ではないかと思います。
--リキシャから降りたところで被害に遭ったとのことですが、怖いですね。
先ほどの3つの事件では、いずれもリキシャ(CNG「圧縮天然ガス」エンジンであることからバングラデシュでは通称「CNG」と呼んでいたりします)が絡んでいたのですが、実際「乗るな」というのは無理だと思います。仕事では社用車や予約した車を使ったとしても、生活上は便利だからです。バングラデシュの場合は他に手軽な交通手段が少ないですね。
交通手段の確保、これは実は難しい問題ではないかと思います。「安全な交通手段がなければ、夜や早朝はリキシャに乗ったり、外に出たりしてはいけない」ということになると思います。