スバルの「空飛ぶクルマ」ハッタリではない根拠 2人の役員に聞く「スバル大変革期」への覚悟

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次に、ユーザーにとって最も身近な国内市場に関して、国内営業本部長の加藤章浩氏に聞いた。

直近のスバルの国内販売についてお伝えしておくと、今回のショーで正式発売となった「レヴォーグ レイバック」の販売が好調であるという。

レヴォーグ レイバックは、プロトタイプの試乗記事や解説記事がすでに数多くメディアに出ており、それをきっかけに来店し、レヴォーグなど他のスバル車を購入するような波及効果が表れているようだ。

筆者もレヴォーグ レイバックの試乗会に参加し、メディアに寄稿した(筆者撮影)
筆者もレヴォーグ レイバックの試乗会に参加し、メディアに寄稿した(筆者撮影)

加藤氏は、国内スバルユーザーの動向について「過去10年は、やはりアイサイトの存在が大きい。他ブランドのお客様にも、安心・安全の観点からスバル車を選んでいただいた。そうした方々が代替え期に入っても、またスバルをお選びいただいているケースが多い」として、スバルブランドの価値に対する理解が日本市場で着実に高まっている実感があるという。

また、販売戦略における『価値づくり』について加藤氏は、「近年、スバルのラインナップにはSUVが増えてきており、(販売事業として)お客様の想定以上に“このような使い方もできる”といった提案をすることが、ことづくり(新たな価値づくり)につながる」と、ユーザーに対して丁寧に「スバルらしさ」を伝えていくことの重要性を示唆した。

すでにスバルは、ドライブを楽しむためのスマートフォンアプリ「SUBAROAD(スバロード)」の提供などを通じて、「スバル車なら、こんな楽しみ方もできる」という提案を行っているが、今後はさらに多くの視点から検討していくことになるだろう。

「やってやろう」「世界最先端を狙おう」

最後に、再びエアモビリティ コンセプト披露後の記者との囲み取材の場面に戻る。

筆者から大崎社長に「8月の“新経営体制における方針”を受けて、スバル社内は変わったか」と聞いた。これに対して大崎社長は次のように答えた。

ジャパンモビリティショーの会場でレヴォーグ レイバックと並ぶ大崎社長(筆者撮影)
ジャパンモビリティショーの会場でレヴォーグ レイバックと並ぶ大崎社長(筆者撮影)

「はい。『やってやろう』『世界最先端を狙おう』という機運が高まってきた。一部で実際に(新しい)動きが起きている。まだ、(社内)全体にきちんと(新しい経営方針が)浸透しきったとは言えないが、(社内の意識変革に向けた)今はその最中だ」

そう語る大崎氏の目力の強さを感じた。スバルが今、大変革期に突入したことは間違いなさそうだ。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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