大崎社長は会見後の囲み取材で、「スバルは自動車事業と航空宇宙事業の双方を事業に持つ稀有な存在。(エアモビリティは)われわれにとって(未来に向けて企業として転換していくための)チャンス(の証し)だ」と事業化への意欲を見せた。
また、エアモビリティ コンセプトの開発を統括する、執行役員で航空宇宙カンパニー ヴァイスプレジデントの齋藤義弘氏は、「技術実証段階だが、自動車をイメージしたバッテリー駆動の電動モビリティだ」と説明。これに大崎社長が、機体の大きさについて「全長6mで幅は4.5mだ」と補足した。
さらに齋藤氏は、「軽量化は航空宇宙部門の専門領域であり、カーボンファイバーとアルミを適材適所で活用する」と、これまでの業務が確実に応用できるとの見解を示した。
ただし、現時点でエアモビリティの量産化については「未定」としている。安全な飛行を実現するための技術革新、法整備、さらに社会受容性を含めた社会全体での議論が必要であるからだ。
2人の役員に聞く「これからのスバル」
エアモビリティ コンセプト、ワールドプレミアの数時間後、技術部門と営業部門それぞれの担当役員に、これからのスバルにおける「ものづくり革新」と「新たな価値づくり」の観点で話を聞いた。
技術本部長 兼 技術研究所長 兼 調達本部副本部長の綿引洋氏は、スバルの開発思想は代々「人中心」であることを改めて強調した。
一方で、世間のスバルに対する見方は、ユーザーはもとより、他の自動車メーカーからも水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、アイサイトといった独自技術が優先するテック企業というイメージが優先しているとの風潮についても認めた。
こうした一般的なイメージに引きずられる中、BEVシフトによってスバルから水平対向エンジンや内燃機関対応のシンメトリルAWDがなくなりゆくことに、「スバルはこれから生き残れるのか」といった話が最近、よく出てくる。このことについても、「認識している」と言う。
そうした市場の実感を十分に理解したうえで、綿引氏は次のように語った。
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