Zさんが事前に何度もその担当者に根回しをしても、結局納期に遅れることが繰り返されていたのです。月末が近づくと、毎日のようにその担当者に催促メールを出すのがストレスになっていると、私に相談がありました。
「とにかくその部門だけが、毎回約束した納期に報告が上がってこないんですよ。別部門の人だから怒るわけにもいかないし、この1つの部門のせいでレポートが完成しないのでイライラするし、本当にストレスなんです」
「そうなんですね。毎回遅れるって、どれくらい遅れるのですか?」
「だいたい、1日か2日くらいです」
「そうですか。例えば依頼するのを1日か2日、前倒ししてみるとか?」
「それもやっています。でも、どんなに早く依頼しても、結局報告してほしい納期に遅れるんです」
「どうして毎回遅れるのか、理由を聞いてみましたか?」
「そんな! 他部門の人なので聞けませんよ!」
「そんなことないですよ、聞いてみれば原因がわかるかもしれませんよ」
そんなやりとりをしてからしばらくして、Zさんから続報が届きました。
「報・連・相」を駆使する
「林さん! 原因がわかりました! あれから林さんのアドバイスに従って、思い切ってその担当者に『どうして毎月、1日か2日、提出の納期に遅れてしまうんですか? 何か原因があるんですか? もしよければ、相談に乗りますよ』って聞いてみたんです」
「そんなことがあったんですね!」
「そうしたら、同じ時期にいくつか作成しなければならない書類が重なっていて、それを依頼された順にやっていくとどうしても提出の納期に遅れてしまう。それが原因だったんです」
「なるほど。だったら、その仕事の順番を変えてもらえないか提案してみたらどうですか?」
「そうですね。やってみます」
その後、Zさんはその担当者の元に何度か通い、どんな仕事をどんな順番でやっているのか教えてもらいながら信頼関係を築いたそうです。
そしてZさんがなぜ、その納期での報告が必要なのかについてもていねいに伝え続けたとのことでした。そして、優先順位の付け方について一緒に協議するプロセスを経て、とうとう仕事の優先順位を変えてもらうことに成功したのです。
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