できる人が「完璧」より「とりあえず完成」目指す訳 【つんく♂✕けんすう対談】3回目(全5回)

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けんすう:本当に「一度完成させること」って大事ですね。

僕は出版社さんとよくお仕事をするんですが、漫画家志望の方がうまくいかないよくある理由は、完成させないことなんだそうです。

たとえば新人漫画家なら、最初は1ページの読み切りを完成させて、その後4ページ、8ページと増やしていく。いきなり50ページの読み切りは難しいけれど、1ページや4ページなら描ける。そうやって「いったん完成させる」ことが大事なんだそうです。

つんく♂100%の出来じゃなくていいから、いったん完成させて「箸を置く」イメージですね。

けんすう:そうなんです。一度完成させたものを手直しすることはできるけど、未完成のままだと客観的に見られないから、修正点もわからないですよね。

完成させないと「バッターボックス」にも立てない

つんく♂:それに、完成させないと「バッターボックス」にも立てないですよね。

そういう意味では、とくにいまはYouTubeだってX(旧Twitter)だってTikTokだって、投稿というゴール、つまりチャンスは無数にあるわけです。

以前は自分の作品を世に出すにも出版社やレコード会社を通さなければならなかった。でも、いまは直接アップして、リアクションもダイレクトに感じられる。リアクションを見て修正することもできる

だから、完成させて送信ボタンを押す勇気って、実は大事なことなんですよね。

けんすう:一度やってみてうまくいかなくても、そこでやめてしまうんじゃなく、真摯に、地道に続けていくことも大切ですね。

つんく♂:そうですね。ただ、アマチュアならいいけど、それを仕事にしたいなら、プロとしての価値がないと報酬はもらえない。どこで方向転換するかも大事だと思います。

たとえば長い下積みを経てM-1グランプリで優勝するお笑い芸人もいるし、シニア世代の新人小説家がいたっていい。自分がどこまで粘れるか、というのも肝でしょうね。

*1回目:会社員でも「プロ意識」全然ない人、ある人の大差

*2回目:「"やりたいこと"わからない病」処方箋は"これ"だ」

*つづきの4回目は11月7日(火)公開予定です

つんく♂ 総合エンターテインメントプロデューサー

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音楽家、TNX株式会社代表取締役。1988年にシャ乱Qを結成、1992年にメジャーデビューし「シングルベッド」「ズルい女」など4曲のミリオンセラーを記録。1997年より「モーニング娘。」のプロデュースを開始し、1999年には「LOVEマシーン」が176万枚以上のセールスを記録。「ハロー!プロジェクト」をはじめ数々のアーティストのプロデュースやサウンドプロデュースを手がけ、現在JASRAC登録楽曲数は2000曲を超える。2015年、喉頭がんにより喉頭全摘手術を受けたことを公表。2020年にメディアプラットフォームnoteにてコラムをスタートする。現在はハワイに拠点を置き、国民的エンターテインメントプロデューサーとして幅広く活躍中。

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けんすう 起業家、投資家

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2003年にしたらばJBBSを運営するメディアクリップ代表取締役社長、2004年にライブドアに事業譲渡。2006年にリクルートに入社し、インターネット系の新規サービスの立ち上げに関わる。2009年に株式会社nanapiを創業、2014年にKDDIグループにM&Aされる。2019年1月にマンガコミュニティサービス「アル」を運営するアル株式会社を立ち上げる。

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