けんすう:本当に「一度完成させること」って大事ですね。
僕は出版社さんとよくお仕事をするんですが、漫画家志望の方がうまくいかないよくある理由は、完成させないことなんだそうです。
たとえば新人漫画家なら、最初は1ページの読み切りを完成させて、その後4ページ、8ページと増やしていく。いきなり50ページの読み切りは難しいけれど、1ページや4ページなら描ける。そうやって「いったん完成させる」ことが大事なんだそうです。
つんく♂:100%の出来じゃなくていいから、いったん完成させて「箸を置く」イメージですね。
けんすう:そうなんです。一度完成させたものを手直しすることはできるけど、未完成のままだと客観的に見られないから、修正点もわからないですよね。
完成させないと「バッターボックス」にも立てない
つんく♂:それに、完成させないと「バッターボックス」にも立てないですよね。
そういう意味では、とくにいまはYouTubeだってX(旧Twitter)だってTikTokだって、投稿というゴール、つまりチャンスは無数にあるわけです。
以前は自分の作品を世に出すにも出版社やレコード会社を通さなければならなかった。でも、いまは直接アップして、リアクションもダイレクトに感じられる。リアクションを見て修正することもできる。
だから、完成させて送信ボタンを押す勇気って、実は大事なことなんですよね。
けんすう:一度やってみてうまくいかなくても、そこでやめてしまうんじゃなく、真摯に、地道に続けていくことも大切ですね。
つんく♂:そうですね。ただ、アマチュアならいいけど、それを仕事にしたいなら、プロとしての価値がないと報酬はもらえない。どこで方向転換するかも大事だと思います。
たとえば長い下積みを経てM-1グランプリで優勝するお笑い芸人もいるし、シニア世代の新人小説家がいたっていい。自分がどこまで粘れるか、というのも肝でしょうね。
*2回目:「"やりたいこと"わからない病」処方箋は"これ"だ」
*つづきの4回目は11月7日(火)公開予定です
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら