できる人が「完璧」より「とりあえず完成」目指す訳 【つんく♂✕けんすう対談】3回目(全5回)

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つんく♂長い目で見れば、もちろん売れるものもあれば売れないものもある。自分はレコード会社じゃないから、売り上げの保証はできないよねっていう現実もあります。

つねに「自分の中の基準点」を超えるのがプロ

つんく♂:でも、やるからには「自分自身の最低基準(クオリティー)」をクリアすることが大事で、そこを担保することがプロの務めだと考えています。

つんく♂
1992年に「シャ乱Q」でメジャーデビューしミリオンセラーを記録。その後は「モーニング娘。」をプロデュースし大ヒット。代表曲『LOVEマシーン』は176万枚以上のセールスを記録。国民的エンターテインメントプロデューサーとして幅広く活躍中(撮影:梅谷秀司)

けんすう:たしかに、売り上げのように数字で表れるものはタイミングや運もある。

数字だけにフィードバックを求めず、作品に対するコミットがあるかないかは大事ですね。

つんく♂:「制作費もこれしかありません。なんとかお願いします」と頼まれて、断るときもあれば、「なんかええやん!」って、熱意に負けて受けることもあります。

でも、制作費で基準を下げるようなことはないし、一度受けたら最後まで責任を持ってやるというのもプロだと思います。

けんすう:たしかに、仕事って自分がコントロールできない部分もあります

つんく♂さんの場合、歌う人、演奏する人、プロモーションなどさまざまな要素がからんでくる。だから、制作費や時間が限られた中で、最低基準をクリアするのが大事なんですね。

つんく♂完璧を目指すと、終わらないんです(笑)

けんすう:たとえば最低基準が80点なら、80点と100点ではどのくらい結果と連動していると感じますか? 80点でもヒットするとか、逆に100点でもヒットしないこともあるとか?

つんく♂:なかには例外もあるけど、ある程度は連動しているように思います。『LOVEマシーン』のように突き抜けるような曲をつくったときは、やっぱり自分でもそれを感じていたから。

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