「結婚に対して離婚が多い」都道府県ランキング カギとなるのは「結婚後の生活」の話し合い
1位の高知県では10年間で2.7万件の婚姻届が提出された一方、離婚届が1.2万件も提出されており、10年間の離婚化指数は45.1%に達しています。
つまり、高知県では結婚報告を2件耳にしたら、1件離婚報告が聞こえてくる、といった状況です。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。
離婚化指数が40%以上の上位にランキングしている9道県にはある傾向がみられます。2020年~2022年のコロナ禍発生以降、高知県は2.0倍、宮崎県は1.7倍、北海道は同期間に増加した男性の8.3倍、青森県は1.5倍、秋田県は1.6倍、愛媛県は1.5倍、鹿児島県は3.2倍、女性が男性よりも多く社会減(転入を転出が上回って人口が純減する状態)しています。
コロナ禍発生以降の3年間で社会減したエリアは39エリアありますが、その39エリア平均では女性が男性よりも1.4倍社会減しています。つまり、離婚化指数40%以上の9エリア中7エリアが、社会減エリア平均を上回る角度のついた女性減を引き起こしています。
一方で、沖縄県は2020年~2022年に社会増(転入>転出)となった8エリアに入ってはいるのですが、他の7エリアが男性よりも女性を多く集めているのに対して、1県だけ男性が女性の3.2倍増となっており、男性余りを引き起こす人口動態となっています。
残念なループが続いている
国勢調査の結果からは、女性のほうが男性よりも早い年齢から結婚に向けた行動を開始して多く成婚していく傾向がみられていますので、若年女性不足が目立つエリアは未婚男女双方がバランスよく減るエリアに比べて「未婚に対する危機感を体感する割合が低い」のではないかと筆者は考えています。
若年人口不足でそもそも結婚の成立が難しいことに加えて、未婚化への危機感の低さが相まって、「結婚報告に対して離婚報告が多いなあ」という状況に陥っている可能性があります。
いずれにしても離婚化指数の大きさで上位にならぶエリアは20歳代人口の転出超過が長期に続くエリアが圧倒的となっています。
つまり、
若年人口の県外流出⇒結婚件数の低下⇒離婚化指数の上昇
という残念なループが続いている状態です。
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