もうひとつは早期閉経と呼ばれる、40歳以下で閉経が起きてしまった場合です。原因は遺伝子的な異常や代謝疾患、自己免疫疾患など多岐にわたります。この状態は早期に妊娠が望めなくなるため、子どもを希望する女性にとっては精神的負担が大きいほか、女性ホルモンが低い状態がほかの方より長く続くため、骨粗しょう症や認知症、心血管疾患のリスクが高くなると言われています。したがって、更年期障害と同様、ホルモン補充療法がこれらの疾患の予防につながり、早期発見・早期治療が身体の健康のために重要といえます。
近年注目されている男性の更年期障害
また近年は、男性の更年期障害も注目されています。医学的には加齢性腺機能低下症またはLOH症候群と呼ばれ、40歳頃から男性ホルモン(テストステロン)が減少することに伴って疲れやすさやイライラ、性機能の低下といった症状が起こり、その多くは女性の更年期症状と共通しています。
診断は内科または泌尿器科でホルモン検査によって行うことができ、最近は男性更年期障害の専門外来クリニックもあります。治療法は基本的に対症療法であり、ホルモン補充療法は症状が重篤である場合に筋肉注射をする場合にしか保険適用がありません。しかしテストステロンが低い状態が続くと糖尿病や肥満骨粗しょう症、心血管疾患のリスクが高まるとの報告もあり、症状が大したことないと放置しているとじわじわとこれらの疾患が進行している場合があるため、対症療法であっても治療が大切です。
このように、ホルモンの変化による症状は、年代・性別を問わず誰にでも起こりうるものです。症状自体も疲れやすい、イライラするといった周囲にネガティブな印象を与えるものが多いですが、先にお伝えしたとおり、医療が助けになる場合も多いためぜひ気軽に近くのクリニックを受診していただければと思います。
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