「センサイさん」の生きづらさを解消する思考法 考え方のクセを変えれば生きやすくなる

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僕はイラクの子どもたちへの医療支援活動をしていますが、このボランティアに力を貸してくれるのは、そんな感性の持ち主が多いのです。困っている人に手を差し伸べたり、日常の中にささやかな幸せを見つけられる感性が、自分や周りの幸せを支える大きな力になるのです。

自分を苦しめる「考え方のクセ」を変えよう

といっても、考え方や行動をすぐに大きく変えることは難しい。そこで、自分を苦しめる思考法をちょっとずつでも取り除いていくことからはじめましょう。

まずは一人で抱え込まずに身近な人に相談すること。「生きづらい」という悩みはなかなか相談しにくいかもしれません。でも、一人で思い悩んでいると不安や孤独感などが大きくなり、ますます気持ちが沈んでしまうのです。

55歳でアルツハイマーの診断を受けたSさんという人がいます。いま69歳。彼は“困りごと”をときどき書き出して僕に送ってきます。2023年2月の困りごとは「梅干しを食堂に持って行くのを忘れる」「持って行ったときは食べるのを忘れる」。

笑いながら、僕はすぐに電話をします。「本人はユーモアと思っていないだろうけど、送られた側はユーモアにあふれていると感じている」と。すると彼自身が「確かにおもしろい」と笑ってくれました。

別の日は「生きる目的が見つからない」「iPadに同じ文章を何度も入力する」。

またすぐに電話しました。「認知症でiPadを使っていること自体がすごいんだぞ!」とコメントすると、「生きる目的が見つからないと思うこともあるけれど、生かされていることに感謝しています」と、素敵なことを言います。

「生活に支障がなければ、細かいことは無視しておおらかに生きる」

結局、自分自身で、こうまとめました。そのとおり! 吐き出すということがとても大事。うまく表現しようとする必要はありません。モヤモヤした気持ちを吐き出すだけでも気持ちは晴れて心が軽くなってくるはずです。

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