「センサイさん」の生きづらさを解消する思考法 考え方のクセを変えれば生きやすくなる

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「内向型の人は、他人と喋るよりも他人の話を聞き、パーティで騒ぐよりも一人で読書をし、自分を誇示するよりも研究にいそしむことを好む」といいます。「社交的で自己主張が激しい外向型のイメージがあるアメリカ人だが、実際にはその3分の1が内気でシャイな内向型」なのだそうです。

でも、そんなアメリカ人でも自分が「外向型」のようにふるまうのは、「社交的にコミュニケーション能力が高い外向型が理想」という価値観があるから。アメリカ人でも多くが、この問題で悩んでいるのです。

内向型だからできることがある

内向型でいいのです。一カ所だけとんがっている部分をつくればおもしろい生き方が待っています。自分の中にそんな部分を育てられれば、一気に個性的になります。

先ほど、「話を聞いてくれる友達を大事に」と述べましたが、言い換えればこれは、「どれだけ上手に他人に甘えられるか」のコミュニケーション能力の問題でもあります。一般的に「外向型」の人はコミュニケーション上手とされていますが、半面、「他人の目を気にする」ことが多く、甘えるのを恥ずかしがったりするので、素直に他人に甘えられないのです。

ちょうどいいわがまま
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「他人に甘える」というと、「みっともない」なんていう人がいますが、それは日本社会の悪しき風習。人間は一人では生きていけない存在です。「持ちつ持たれつ」の共同体があってこそ、人間は幸福に生きていけるのです。

反対に「内向型」の人は、他人の心の動きや心情に敏感なので、上手に甘えることができるようです。自分が甘えたことで得た幸福感や充足感を、同じように相手にも味わってほしいと思う気持ちが強く、家族や友人、恋人ともいい関係が築けます。

ともあれ、ニュートン、アインシュタイン、スピルバーグ、そしてジョブズまで、世の中の天才と呼ばれる人たちのほとんどは、自分の内面の声に耳を傾け、深く思索し、そこに秘められた宝を探り当てます。そんな人たちがいなければ、万有引力、相対性理論などの偉大な理論も、現代文明を支える発明も生まれなかったのです。

だから「自分は引っ込み思案だからうまくいかないんだ」なんて考えずに、「内向型だからできることがあるんだ」と、心の視点を変えてみることが大事です。

鎌田 實 医者・作家

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かまた みのる / Minoru Kamata

1948年東京生まれ。医師・作家。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任、以来40年以上にわたって地域医療に携わる。現在、諏訪中央病院名誉院長。日本チェルノブイリ連帯基金理事長、日本・イラク・メディカルネット代表として、被災地支援にも精力的に取り組んでいる。2006年、読売国際協力賞、 2011年、日本放送協会放送文化賞を受賞。ベストセラー『がんばらない』(集英社)をはじめ著書多数。近著に『相手の身になる練習』(小学館)、『70歳、医師の僕がたどり着いた 鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(集英社)などがある。

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