「厳しいマネジメント」=ハラスメントではない 厳しさと優しさを場面によって使い分ける
Bさんは「会議は始まる数分前にはスタンバイしておくことが常識だし、それがマナーだろう」と思っているかもしれませんが、Aさんは「前の打ち合わせもあるし、ぴったり、もしくは少し遅れて入るのは仕方ないだろう」と思っているかもしれません。
つまり理想の状態がすり合っていないのです。
そのため今回の件はどちらが正しいとも言えません。読者のみなさんにもそれぞれの意見があるのではないでしょうか。
「時間を守りましょう」というマナーは小学生でも知っています。しかしその時間を守るという考え方1つとってみても、理想についてしっかりメンバーと握っておくことが大切で、「そんなの言わなくてもわかるよね」と思うようなことでもしっかりとマネジャーが理想を示しておかないとメンバーをモヤモヤさせてしまいます。
これぐらいシンプルな例でもそうなのですから、今期のチームの目標をメンバー全員で達成するといった大きな話になれば日々仕事をしている中でのメンバーのモヤモヤはその比ではありません。
「そんなに細かいことまでいちいち理想をすり合わせていたらいくら時間があっても足りないよ」という声があるかもしれません。
そのとおりだと思います。だからこそ「最低限これは共有しないといけない」という理想だけは共有するべきです。
では最低限共有しないといけない理想とは何でしょうか?
場面による「厳しさ」と「優しさ」のメリハリ
当然のことですが、すべての組織において曲げてはいけない原理原則は「顧客に価値を提供し、会社の継続的な成長を実現すること」です。
もちろん、メンバー1人ひとりの仕事をするうえでの目的や意義は違うかもしれません。それがお金を得ることでも、自由を得ることでも、成長することでも、安心を得ることでもいいでしょう。ただ、それは顧客に価値を提供し、会社の成長を継続的に実現することによって成し遂げられることです。
その順番は逆にしてはいけません。
これが最低限共有しないといけない理想です。
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