「僕は規範的な既存の日本の教育システムに適合できず、なんで自分がずっと説教されて苦しい思いをしなければならないんだと思っていました。そんなとき、きっと自分のように学校が合わずに苦しんでいる人もたくさんいるであろうと思い当たったんです。
この教育の仕組みが続く限り、自分と同じように苦しい思いをする人が減ることはないと思って、過程ではなく、試験の成績などの成果を重視した教育の場を作りたいと思ったんです。そのためには日本でいちばんいい教育を受けたであろう人たちに会いにいかねばならないと思い、東大を目指そうと思いました」
しかし現実問題、彼は少人数の学校の中ですら成績がよくありません。その状況を、彼は痛いほど自覚していました。東大を目指すには絶望的な成績をどうするか……。そこで思い当たったのが、高校に行かずに、1日の全時間を勉強に充てることでした。
「今から普通に勉強をやっても、絶対に受からないと思いました。だから、普通の高校に入って青春を味わうという選択を捨てたんです。それが東大に入るために最適だし、唯一残された道だったんです」
1年目はゲーム生活を続けてしまった
通信制高校に籍は置いたものの、中学を出てからは高校に行かずに勉強をする日々が始まりました。
ところが、自宅勉強1年目(高校1年生)は12月まで何もせず大失敗だったそうです。
「いつ起きてもいいし、何をやってもいい環境でした。高校に通わないと人との関わりがなくなるので、学習の習慣が失われたんです。その結果、やる気はあってもなぜか毎日15時間ゲームばかりする生活を続けてしまい、12月に受けた駿台全国模試で偏差値42という見たことがない成績をとってしまいました。
危機感を抱いたので考え方を変えて、やる気に頼るのをやめて仕組みで勉強をするようにしました」
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