そのために、彼はどんな状態でどんな問題が出ても、絶対に受かる状態に仕上げるつもりで浪人の1年に挑みました。
「天運に任せる勉強をするのはやめようと思ったんです。この1年で(最低合格点までの)10点をあげることはできるだろうけど、その場合はもう一回、当日の問題内容に左右される運の勝負になると思ったんです。だから、もし自分が試験本番に高熱を出しても受かるようにしようと思って、この1年で前年度よりセンターと二次試験を合算した総合成績を100点あげようと思ったんです」
彼は自身が落ちた理由を深く分析し、今までの基本的な勉強習慣は変えないまま、やり方を少しだけ変える決断をしました。
「僕はこの3年、結果を求められない環境にいたのでのびのび勉強できました。ですが、ダメな自分の自己内省をする機会がなかったんです。だから、落ちてからは謙虚に人の意見を聞き、現実と向き合い、受け入れるようになれたと思います」
国語の勉強法を確立させる
「勉強面で改善しようと思ったのは現代文の勉強法でした。開示した東大の国語の点数が37/120点で、とても低かったんです。古文と漢文は取れていたはずなので現代文が悪すぎると気づき、読解力を伸ばさないといけないと思いました。そのため、7月中までは、ずっと1日中書籍を読んで、その内容を母親とディスカッションしていました。それから7月後半にほかの科目の勉強に戻ると、物事の捉え方がクリアになっていて、全部の科目の成績が軒並み上がったんです」
読書と対話の習慣で、「論理力がものすごく向上した」と語る神田さんは、無対策のセンター試験では772/900点と前年より成績を下げたものの、合格最低点のボーダーから83点差をつけて東京大学文科I類に合格を果たしました。前年度の成績(センター試験と2次試験)からは、100点以上成績が上がりました。本当に彼は、この1年で100点以上あげることに成功したのです。
「この年は2日目が終わったら絶対に受かったと確信して、ガッツポーズが出ました。成績開示結果を見ると二次試験の得点が首席の人とわずか3点差でしたし、予備校に通わずに自分のやり方を模索してきてよかったなと思いました」
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