神田さんに浪人してよかった理由を尋ねたところ、「自分のアイデンティティを突き詰められたこと」とのことでした。頑張れた理由に関しては、先に述べたように「青春を犠牲にしたため、取り戻さないといけないと思えたから」と語ってくれました。
「僕は浪人の1年があって本当に良かったと思っています。多種多様な書籍を4カ月間じっくり読めたことで、『自分はほかの人と何が違うのか』を突き詰められました。
そもそも日本最高の環境で過ごす『普通の東大生』の生態を知りたくてこの大学を目指したのに、自分について深く考えていない状態で運よく現役で入っていても、東大生の中に紛れてしまっただけだったと思います。浪人期間で読書をしたおかげで、トップクラスの成績に加えて自分はこういう個性がある人間なんだと言葉で伝えられるようになったので、もし過去に戻れても、浪人して東大に入りたいと思っています」
受験を生かして教育系の会社を立ち上げる
東大文Iに入り、法学部に進んで卒業した神田さんは、「世界の3大戦略コンサルティングファーム」である超一流外資系コンサルティング会社、「マッキンゼー・アンド・カンパニー」に就職します。そこでの1年間の勤務を経て彼は、自身の夢に近づくために株式会社Overfocusを創業しました。
「現在、小学校4年生から既卒生までを対象に、勉強が1人でできるようになる支援をする教育系の会社を経営しています。そこでは、僕が本を読んで親としゃべって学力が伸びた経験を生かして『対話で国語を鍛える』ことをベースに、『ヨミサマ。』という東大生講師によるオンラインの国語指導を行っています。授業時間を丸々使って、1問にじっくり集中して、東大生とがっつり議論をすることで、生徒の国語力を増強しています」
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