新NISAとiDeCo、どう違う?どう使い分ける? 同じ非課税でもこれだけ異なる両者の仕組み

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両者の違いをまとめると、下図のように表すことができる。ちなみにiDeCoと新NISAは併用可能だ。両者を使い分けるには、「目的」「職業・年収」「年齢(=運用期間)」を考えるといい。

①目的

新NISAで運用する資金はいつでも引き出すことができるため、結婚や出産、教育、住宅購入などの積み立てに向いている。iDeCoは60歳まで引き出せないから、老後資金の準備が主な目的となってくるだろう。

②職業・年収

先述したように、iDeCoの掛け金は所得控除の対象となるため、所得の高い人ほど税負担が減る。会社員ならまずiDeCoで掛け金を拠出して控除を受けながら、余裕資金を持って新NISAで運用するのが一案だ。

また自営業者やフリーランスは最大月6万8000円(年81万6000円)を拠出できる。厚生年金などの上乗せがないことも考え、可能な限り、iDeCoで老後資金を貯めたいところである。

収入が少ないであろう専業主婦(夫)は、所得控除のメリットが少ない。新NISAを優先的に使ったほうがいいケースが多い。

短期間で一気に積み上げたいなら新NISA

③年齢

『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)。書影をクリックすると、アマゾンのリンクにジャンプします。

年齢による使い分けも有効だ。

例えば、50代・60代で短期間のうちに老後資金を準備しておきたい人は、新NISAを使って、資産を一気に積み上げる方法が考えられよう。新NISAでは、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で、年最大360万円までの枠がある。

iDeCoの投資枠は年14万4000〜81万6000円。急いで投資の元本を増やすなら、新NISAのほうが有利になる。

既存の証券会社や銀行、ネット証券など、金融機関でiDeCoの口座を開設する場合、新NISAと同じように、商品のラインナップを確認してほしい。自分の運用方針に合った投信などを取り扱っているかどうか。

続いて確認したいのが手数料。iDeCoは加入時や受給時だけでなく、運用が長期間にわたるため、運用期間中の手数料も最終的な収益に影響を及ぼしてくる。手数料はできるだけ安いところを選ぶに越したことはない。

最後に加入後のサービスも簡単に確認しておこう。金融機関のWEBサイトの使い勝手や、コールセンターの受付可能な時間や曜日もみておくほうがいい。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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瀧 健 ファイナンシャルライター

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経済系Webメディアで多数の執筆協力経験をもつ。ライフプランや資産運用の提案が得意。自らも株式・債券・投資信託などの運用を行う。社会保障にも詳しい。

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